Monday 21 October 2013

鉄道ファンのための便利メモ(II)- ドイツSLのナンバープレート表記

これまで,いくつかのポストでドイツの蒸気機関車についてあれやこれや乱文を書き綴って参りましたが,ここで少しまとめてみたいと思います.ドイツSLのファンの方や興味をお持ちの方に僅かでもお役に立てばさいわいです.なお,既に公開した関連のポストは,右側のラベルによる抽出ウィジェットの"Steamphile's Life"をクリックしていただければ一覧が表示されますので,お好きなものを選んでご笑覧ください.また,保存されている蒸気機関車のリストについては,Wikipediaのこちらのページをご覧になるか,こちらのサイト(ドイツ語)をご覧下さい.

1. 蒸気機関車の種類

日本はもちろん,どこの国でも似たようなものだと思いますが,大きく分けて炭水車を持ったテンダー機関車と本体に水タンクや石炭庫が設置されているタンク機関車があります.ドイツ語では,前者はLokomotive mit Schlepptender,後者はTenderlokomotiveと呼ばれます.英国式に慣れている私たちにとっては,不思議な呼び方ですが,ドイツの専門サイトでも,この呼称は間違いのもとであるといった解説がされている場合があります.なお,異なる言葉をつなげて新しい言葉をつくってしまうドイツ語では,Lokomotive mit Schlepptenderが,Schlepptenderlok(omotive)と呼ばれることもまれにあります.

1.1. 形式番号による区別

テンダー機関車であるか,タンク機関車であるかは,実物を見ればすぐにわかりますが,その機関車が本来どのような目的のために開発されたものなのかを示すが形式番号(Baureihe)で,以下のような仕組みになっています.これは,1926年にドイツ帝国鉄道(DRG: Deutsche Reichsbahn Gesellschaft)によって採用されたシステムですが,まずは基本としてこちらを知っておくと便利です.後に述べるように,EDV番号導入後は変更もありますが,現存する車両の中にはEDV番号ではなく,この表に従った表記のままのものも多く存在しています.*1) なお,下表中の統一規格型*2)というのは,1925年から第二次世界大戦終結までにドイツ帝国鉄道で製造された機関車のことで,統一された規格に基づいて設計されたものです.*3) 同じく旧領邦鉄道型というのは,1920年にプロイセンやザクセン,あるいはバイエルンといった各領邦によって運営されていた鉄道がドイツ帝国鉄道に吸収されるまでに,それぞれで使われていた機関車です.代表的な例としては,急行旅客用の18.4形がありますが,wikipediaのこちらのページを見ると判るように,例えばバイエルン国鉄における形式はS 3/6でした.*4)

そして,種別というのは,通常目にする形式番号の他に種別番号(Betriebsgattung)というものが存在しているのですが,その前に置かれる文字です.*5)

形式番号用途種別
01 – 09急行用テンダー機関車(DRG統一規格型)S
10 – 19急行用テンダー機関車(旧領邦鉄道型)S
20 – 29旅客用テンダー機関車(DRG統一規格型)P
30 – 39旅客用テンダー機関車(旧領邦鉄道型)P
40 – 49貨物用テンダー機関車(DRG統一規格型)G
50 – 59貨物用テンダー機関車(旧領邦鉄道型)G
60 – 69旅客用タンク機関車(DRG統一規格型)Pt (St)
70 – 79旅客用タンク機関車(旧領邦鉄道型)Pt
80 – 89貨物用タンク機関車(DRG統一規格型)Gt
90 – 96貨物用タンク機関車(旧領邦鉄道型)Gt
97標準軌用アプト式機関車Z
98局地用機関車(旧領邦鉄道型)L
99狭軌用機関車
狭軌用アプト式機関車
K
Kz

上の表のすべてを覚えるのは煩わしいので,とりあえずは,形式番号の最初の数字が0を含めて偶数の場合がドイツ帝国鉄道時代に開発された新しいタイプ,同じく奇数の場合が旧領邦鉄道時代に開発された旧いタイプであることを覚えておくと便利です.これらの形式番号に製造番号を加えたものが,私たちがよく目にするナンバープレート表記ですが,同一の形式でもいくつかの異なるバージョンが存在する場合,製造番号で区別されることがあります.*6) また,車両によっては,01 0509-8のように,製造番号の0509の後ろにさらに8が付記されている場合がありますが,これはEDV(電算処理)番号と呼ばれるもので,8はセルフチェックディジットと呼ばれる数です.*7) EDV番号は,西ドイツの連邦鉄道(DB)では1968年に,東ドイツ国鉄においては1970にそれぞれ導入されましたが,前述したように,現存する全ての機関車のナンバープレートに表記されているわけではありません.EDVが導入されたことにより,二つのドイツの鉄道会社において蒸気機関車の形式番号に若干の変更が生じましたが,まとめるとおよそ以下のとおりです.

まず,西ドイツの連邦鉄道においては,形式番号および製造番号がそれぞれ3桁ずつになり,また,同じ形式でも燃焼方式などが異なるものには新しい番号が与えられました.例えば,重油燃焼式の44には043,同じく41には042といった具合です.同様に,急行旅客用機01の3気筒ヴァージョンである01.10においては,石炭燃焼機は011へ,また重油燃焼機は012へといった変更が行われました.(2気筒の01は,001へ変更.)このように,EDV番号の導入を機に形式の細分化が実施されたと言えます.これは,次に見る東ドイツ国鉄においても同様です.なお,ナンバープレートに上述のセルフチェックディジットが付記されている場合は,その番号はもちろんEDV番号ですが,逆に,042や012といった新たな形式番号がセルフチェックディジット無しで表記されるケースはありません.

ところで,051形や052形,さらに053形といった形式番号を持つ車両がありますが,これらは全て戦後の西ドイツ国鉄だったDBがEDV(電算処理番号)を導入した際にDBにおいて現役だった1452両の旧50形に割り当てられた番号であり,それぞれ別形式の機関車を表すものではありません.変更の理由は,DBのEDV番号では,形式番号も製造番号もそれぞれ3桁に定められたからです.例えば,旧番号で50 1001は051 001,同様に50 3000は53 003と言った具合に変更されました.なお,言うまでもありませんが,1942年に製造が始められた戦時形機関車52形は,50形をベースに開発された形式ですが,当時はもちろんEDV番号ではなく帝国鉄道の形式番号が使われていたため最初に0が付いていません.そのため,52形は独立した形式であって上記の052形とは異なります.そして,52形は,DBにおいてはEDV番号導入時すべて廃車されていたので,EDV番号が付けられたDB所有の52形は存在しません.もし052と書かれたナンバープレートを持った機関車を見かけることがあったら,それは50形につけられたEDV番号と理解してください.*8) なお,50形の変わり種としてフランコ・クロスティ式ボイラーを備えた50.40形式*9)がありましたが,これらの車両もEDV番号導入時,すでにすべてが廃車されていたため,054という形式番号も存在しません.

次に,東ドイツ国鉄におけるEDV番号ですが,西ドイツ国鉄とは異なり形式番号は2桁,製造番号は4桁になりました.そして,形式番号について以下の変更が実施されました.これは,1970年のEDV番号導入と同時に実施されたディーゼル機関車と電気機関車の形式番号の変更に伴う措置で,この変更によって前者が1で,また後者が2で始まる数字に置き換えられたため,それらとの混同を避けるためでした.(何故かDBと逆.)
  • 18→02
  • 19→04
  • 22→39
  • 23→35
  • 24→37
そして,製造番号については,標準軌用重油燃焼式の場合は0が,石炭燃焼式の場合は1から8迄が,そして粉炭燃焼機で自動給炭装置付の場合は9が最初に付記されるようになりました.例えば,01 0509であれば,EDV番号導入以前は01 509で,重油燃焼式の車両であることから製造番号は0509となったわけです.*10) 実は,この変更のおかげで,場合によっては本来の製造番号自体に変更が生じてしまった車両もありました.*11) 

また,50形についてですが,上述したDBのようにEDV番号導入による形式番号の変更もなされませんでした.理由は,繰り返しますが,DRのEDV番号では形式番号は2桁,製造番号は4桁だったからです.DBと異なり,DRではEDV番号導入時,まだ多くの52形が活躍していましたが,EDV番号導入以降,それらのナンバープレート表記は,旧番号にセフルチェックディジットが加えられただけです.例えば,52 2850-7といった具合です.最後に,これまで50形について述べたことをまとめると,旧領邦鉄道の機関車でドイツ帝国鉄道(DRG)の所有となったものも含め,戦後東西ドイツ国鉄時代に至るまで,51,53という形式番号(Betriebsnummer)は存在しませんが,DBの車両としてEDV番号導入以降,051,052,053という番号を持つものは存在します.しかし,これらはすべて旧50形であり,各形式番号が改造等の仕様の変更を意味するものではありません.*12) なお,混乱させるのを恐れずに書き添えますと,東ドイツ国鉄において,50形については50.35形*13),また,52形については52.80形*14)というそれぞれの改造形式が存在します.さらに,DRには戦後の新規開発機関車(Neubaulok.)として50.40形が存在しますが,これは前述のフランコ・クロスティ式ボイラーを備えた形式とは別の機関車です.(戦後の貨物用機不足を補うために開発された1'E h2タイプで軸重は15 tでした.)

なお,上掲表の一番下に記した99ですが,ドイツの蒸気機関車のうちで狭軌用のものはすべてこの番号を持っています.ただ,狭軌と言っても複数のサイズが存在するため,どの軌間用の機関車なのかを示したのが製造番号の最初の2桁で,1926年,帝国鉄道により以下のように設定されました.(600 mmは,想定されていませんでした.)
  • 9900 - 9929 : 1000 mm
  • 9930 - 9939 :   900 mm
  • 9940 - 9949 :   785 mm
  • 9950 - 9979 :   750 mm
なお,現在でも多くの狭軌用機関車が活躍するザクセン州などの旧東ドイツ領内の車両は,東ドイツ国鉄がEDV番号を導入した1970年以降,以下のように同国鉄の方式によるEDV番号(2桁の形式番号+4桁の製造番号+ハイフン+1桁のセルフ・チェック・ディジット)の製造番号の最初の1桁を見るとゲージの幅が判る仕組みになっています.(括弧内は,元の所属先です.)
  • 1000 - 1999 :  750 mm(DRG/DR)
  • 2000 - 2999 :  900 mm(DRG/DR)
  • 3000 - 3999 :  600 mm(私鉄)
  • 4000 - 4999 :  750 mm(私鉄)
  • 5000 - 6999 : 1000 mm(私鉄)
  • 7000 - 7999 : 1000 mm(DRG/DR)
ところで,ナンバープレートの読み方ですが,通常,形式名と製造番号は二桁区切りで読まれます.41 1144の場合,41-11-44と言った具合です.また,EDV番号(電算処理番号)導入後の西ドイツ機では形式番号,製造番号ともに三桁ですが (012 077-4のように.なお,末尾の4はセルフチェックディジット),その場合は,それぞれ最初の一桁,残りの二桁の順です.つまり0-12-0-77というように読みます.(セルフチェックディジットは通常読まれません.)

1.2. UIC表記による区別

すでに別のポストで扱いましたが,内容がまとまりのないものとなってしまったため,ここで改めてご案内します.

蒸気機関車の種類のもうひとつの表記方法はUIC表記とも呼ばれているもので,日本でも簡素化したものが用いられています.急行旅客用テンダー機関車である03.10形を例にすると,UIC表記で正確に記すと2'C1' h3vとなります.ここで,最初の2は先輪と呼ばれる車輪の軸数,次のアルファベットのCは動輪の軸数,そして最後の1は従輪と呼ばれる車輪の軸数を表しています.先輪と従輪の軸数の後ろのダッシュは,それぞれの車輪がカーブに沿って方向を変えることができることを示しています.さらにその後ろのhは加熱蒸気を用いることを示し,数字の3は気筒数,そしてvは複式,つまり一度シリンダーを動かすために使用された蒸気がもう一度別のシリンダーを動かすために使用されることを示しています.このほかに覚えておくと便利な文字は以下のとおりです.*15)
  • Coのように,動軸数を表すアルファベットの後ろに下付きでアルファベットのoが記されている場合は,各動輪軸が独立した発動機によって回転されることを示しています.
  • n: 飽和蒸気式
  • t: タンク式
少々複雑な例を挙げると,現在でもかなりの数の車両が動態保存されている旧ザクセンIV K形(DRの99.51-60)ですが,UIC表記ではB’B’ n4vとなります.これは,この機関車には遊輪がなく,動輪のみであるということ,そして2軸の動輪のセットが2組あり,それぞれが台車に固定されているためカーブにそって向きを変えることができ,飽和蒸気を使用して4本のシリンダーを複式で動かすということを表しています.*16) 

2. 性能についてのデータ

Wikipediaで各形式の項目を見るのが最も手軽な方法です.ほとんどの場合,ドイツ語のほかには英語でしか書かれていませんが,基本的なデータは性能緒元表に判り易く記載されています.なお,Wikipediaでお目当ての機関車についての項目を見つけるには,"Baureihe(または,BR)01"などと入力します.以下,ご参考迄に主な項目の日本語と英語の訳を挙げます.

  • Anzahl/製造両数/Quantity
  • Baujahr(e)/製造年/Year(s) of manufacture
  • Ausmusterung/退役(年)/Retired
  • Länge über Puffer/緩衝器を含めた全長/Length over buffers
  • Dienstmasse/運転整備重量/Service weight
  • Radsatzfahrmasse/動軸重/Axle load
  • Höchstgeschwindigkeit/最高速度/Top speed
  • Indizierte Leistung/指示出力/Indicated Power
  • Treibraddurchmesser/動輪直径/Driving wheel diameter


以上の内容は,出典(リンク)を示した場合を除き,Selktalbahnのサイトが提供している情報に基づいています.

*1) 例えば,バイエルン州の技術記念車両に指定されている41 018は,重油燃焼式に改造されたためEDV番号は042 018-2のはずですが,ナンバープレートは改造前の番号を記したものがつけられています.同様にラウジッツァーSLクラブ所有の23 1019も,EDV番号は35 1019-5のはずですが,ナンバープレートは旧い番号の23 1019のままです.さらに,ウルム鉄道友の会所有の01 1066(3気筒重油燃焼式)も012 066-7というEDV番号が与えられているのですが,ナンバープレートの表記は01 1066のままです.
*2) Einheitsdampflokomotive,あるいはEinheitslok.英語ではStandard loc.と訳される場合もあるようですが,正確にはStandardized loc.と言うべきでしょう.
*3) 例を挙げれば,01, 02, 03, 04, 41, 43, 44には同じ種類のテンダーを組み合わせることができました.こうしたアインハイツロコの開発に取り組んだのが,ヴァグナー式除煙板で有名なリヒャルト・フェリックス・パウル・ワーグナー(Richard Felix Paul Wagner)です.(ドイツの保存機関車のほとんどは,フリードリヒ・ヴィッテが考案したヴィッテ式除煙板が装着されていますが,
戦時形の52以降,視界を妨げるといって不評だったヴァグナー式に換わり,ドイツの蒸気機関車の標準的なパーツとなっています.)領邦鉄道がドイツ帝国鉄道に編入されたのが1920年ですが,当時210もの異なる形式が存在し,交換部品にはもちろん統一した規格等存在していませんでした.そうした混沌たる状況を解消するために規格の統一化が計られたのでした.詳しくは,WikipediaのEinheitsdampflokomotiveのページをご覧下さい.日本でも同様の状況が,明治30年代,既存の私鉄の国有化が実施されたときに出現しました.そのとき,ヴァグナーと同じ役目を果たしたのが,当時の鉄道省技師島安次郎です.(Cf. 橋本 克彦 著『日本鉄道物語』(講談社文庫),講談社,1993年,pp127ff)
*4) Sは,Schnellzuglok(急行旅客用機関車)の頭文字.3は動輪軸数,6は総車軸数.なお,旧領邦鉄道所属の機関車のドイツ帝国鉄道での形式番号についてはWikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*5) 例えば,03.10の種別番号はS 36.18ですが,最初のSは急行用,3は動輪軸数,6は総車軸数(=パシフィックと呼ばれる2C1),そしてピリオドの後の18は動輪の軸重(トン)を表しています.Wikipediaの各形式について説明したページのデータのなかのGattungというのがこの番号です.(英語版ではType)
*6) 代表的な例では,2気筒の01と3気筒の01.10といった具合です.具体的には,現役の急行旅客用スターエンジンの1両である01 1066は3気筒であるのに対し,今年の5月に復活した01 150は2気筒です.同様に細身のシルエットの03も現役の03 1010は3気筒で,形式表記は03.10,あるいはピリオド無しで10を上付数字で記します.こんな風にです.
0310 03 1010はHalleの鉄道博物館にて動態保存されています.)
*7) セルフチェックディジットについて,詳しくはこちらのポストをご覧になるか,Wikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*8) Obermayer, H. J., DB-Baureihe 50 Eisenbahn Journal Special 2 2013, pp68ff

*9) 実は,東ドイツ国鉄の新規開発機関車(Neubaulok.)にも50.40形が存在
*10) 01.5形は,東ドイツ国鉄による2気筒01の改造ヴァージョンで,Rekolok(=Rekonstruktionslokomotive)と呼ばれる機関車の一種ですが,改造時期が1962–1965とEDV番号導入以前の形式番号であり,EDV導入によって新たに設けられたものではありません.そのため,オーストリア鉄道歴史協会所蔵の01 533のように,EDV番号表記でないナンバープレートがついている車両もあります.また,2012年に復活した03 2155-4は,公式にはRekolokではありませんが,やはり東ドイツ国鉄によって改造された旧03形(ボイラー交換,混合給水加熱器の装着,ボイラーの上には砂箱と蒸気ドームのみ配置)で,改造されたのはEDV番号導入後の1975年ですが,改造前に与えられたEDV番号はそのままで変更はありませんでした.
*11) 詳しくお知りになりたい場合は,Wikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*12) 旧領邦鉄道の機関車で帝国鉄道に編入された車両の編入前後の形式番号については,こちらをご覧下さい.(ドイツ語が判らなくても,表なのでご理解いただけると思います.)また,同じサイトにドイツ帝国鉄道の形式が記載されているページもあります,どちらもとてもよくまとめられています.(メルセブルグ大学のサイト内)

*13) 50.35形の保存機として有名なものを挙げるならば,例えばオーストリア鉄道歴史協会が所有している50 3519ですが,毎年クリスマスにザルツブルグローカルバーンで運行されるクリスマス特別列車を牽引しています.ところで,同協会は,珍しいヴァグナー式除煙板を備えた(つまり,オリジナル仕様に近い)44形も所有しています.そして,下の写真は,2013年,ポーランドのウォルスティンで開催されたSL祭で見かけた52.80形です.
50形の改造形50.35のために開発された高性能ボイラー50 Eや新しいシリンダーが装着され,東独機特有のIfs(鉄道動力車両研究所)式混合予熱器が煙室上に設置された52.80形.運転台前面の楕円形の窓も特徴的です.出力も従来の52の1620 PSiと比べて1750 PSiと大幅に向上しました.
*14) 動態保存機としては,ドイツ国内ではマイニンゲンSL協会の50 3501(東ドイツ国鉄時代の改造機にも拘らず,何故かヴァグナー式除煙板やクノール式予熱器付き.1号機だから?)やザクセン鉄道博物館に所蔵されている50 3648などが存在しますが,2014の運行予定は今のところ判りません.現役の50.35も含め,そのほかのドイツの蒸気機関車(23,44,52など)を観たい場合は,9月6,7日にオランダのBeerbergenで開催が予定されているSL祭がお薦めです.(恐らく,現在,ヨーロッパで観ることができる唯一の三気筒01の動態保存機オランダSL財団の1075号機も参加すると思われます.)BeerbergenのVeluwsche保存鉄道に所蔵されている車両のリストはこちら(Wikipedia)からどうぞ.(「動態保存」 = "betriebsfähig")
*15) UIC表記について,詳しくはWikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*16) 99.51-60は,個人的にはドイツの狭軌用蒸気機関車の中で最も好きな形式で,元気に活躍している姿を一度見たいと思っているのですが,なかなか機会がありません.一度だけ,ドレスデン近郊のPressnitztalbahnを 訪れたことがありましたが,当日,惜しいことにボイラーが故障したのとのことでディーゼル機関車が代行を務めていました.なお,現役の機関車のナンバープ レートは,EDV番号表記となっていて,99 1542-2というように旧製造番号(542)の始めに軌間750 mmを表す1が付されています.

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