Wednesday 31 December 2014

フランス国鉄から歌の新年挨拶



Very happy and prosperous new year to you all !

Thanks so much for your visiting my blog !

AirAsiaDG 7054,Kaliboで滑走路をオーバーショット

機材はQZ 8501と同じくA320-200だったそうです.

Best of 2014 - Main Line and Preserved Railways(ビデオ)

UK内で撮影された映像のようです.

エボラ出血熱の人への最初の感染は昆虫を食べるコウモリから?

これまで考えられていたのは果実を餌とするコウモリから感染したというものでしたが,ベルリンのロバート・コッホ研究所の研究者の調査によると昆虫を餌とする別の種類のコウモリらしいというのです.

30日に公開された報告では,以下のような人への感染の経緯の仮説が紹介されています.場所は,ギニア南部,ゲケドゥ(Guéckédou)近郊の村メリアンドゥ.そこで最初の感染者とされた子供に感染.当時,2歳だったその子供は,昨年の12月に死亡していますが,実は,この子を含め,村の子供たちはこのコウモリが巣としていた樹木にできた樹洞でよく遊んでいたというのです.子供の死後,この木の一部は燃やされたそうですが,その灰や付近の土壌から木に住んでいたコウモリの遺伝子が発見されました.ただ,その遺伝子にはエボラウィルスの存在は確認されませんでした.しかし,果実を餌とする種類に加え,この種類のコウモリもエボラウィするの媒体になり得ることが調査によって判明しています.つまり,その子は,この木にできた穴の中で遊んでいるうちに,そこに巣を作っていたコウモリから感染した可能性があるというのです.

なお,調査に参加した研究者の一人Fabian Leendertz氏は,上記の仮説はデータが少ないため裏付けが困難であるとする一方,もうひとつの仮説である,サルのような野生の哺乳類からの感染は,当該のスポットを含む地域に生息する哺乳類からウィルスは検出されていないことから,考えられないともしています.そして,同氏は,結論として,コウモリを駆除したり,その巣を破壊しても感染の歯止めにはならず,逆に,さらに感染を拡大してしまう恐れがあると述べています.

以上,L'OBSの"Ebola : des chauve-souris insectivores à l'origine de l'épidémie ?"からでした.他にも多くのドイツの語のメディアが伝えています.

オリジナルの調査報告へのリンク("Investigating the zoonotic origin of the West African Ebola epidemic" in Embo Molecular Medecine)

Tuesday 30 December 2014

MAGNIFICAT - Konzert zum 300. Geburtstag von Carl Philipp Emanuel Bach

ベルリンのコンサートホールにて収録.

バネッサ・パラディスのコンサート"Love Songs" - ARTE+7より

リヨンで開催されているLes Nuits de Fouvièreのイベント.リヨン音楽院のオーケストラが共演しています.

ゼブラデザインのELの布団カバー

こういう布団で寝る夫婦は二人とも鉄道好きでしょうか.

大晦日の17時から元日12時迄イル・ド・フランスのすべての公共交通機関が無料

下のリンク先で詳しい情報が閲覧できます.(フランス語)

ビールとチーズ好きの方へ - ビールフォンデュミックスが50%OFF

通常17 CHFのところが今なら半額の8.5 CHF.量は2人前(800 g)です.ヴァウチャーの購入はこちらから.(一人につき一枚のみ)商品との交換はChurのBrauerei Chur,またはArosaのSennerei Maranで.なお,バウチャーは来年の3月末まで有効です.スイスからのお土産として良いかもしれません.(元々フォンデュは嫌いであるのに加え,ビールベースのものなど食べたこともないので,どのような味なのか想像できかねますが.広告を見る限り,ビールと一緒に味わうには絶好の味だそうです.特にグラウビュンデンの地ビールと.)

ドイツで史上初,最低保証賃金導入へ

来年の1月1日付で導入されるそうです.金額は,ネットで8.5€(現在のレートで1,247円弱.)なお,お隣フランスの今年の額は9.53€でした. いずれにせよ,今年実施された国民投票で否決されましたが,スイスで提案された額(22 CHF/時,4000 CHF/月)に比べればはるかに低い額です.

Chaos Computer Clubsの年次総会で発表されたこと

各講演の動画は こちらで視聴できます.

例えば,28日の"Inside Field Station Berlin-Teufelsberg"という講演では,元在ベルリンNSA職員Bill Scannell氏は,NSAの予算配分について,優秀な人材を集めるためより機材に多く割り当てていたと述べたようです.

SPIEGELの関連記事:"Präsentationen beim 31C3: Wenn Sie sich Ihren Glauben an Windows bewahren möchten, sollten Sie diesen Vortrag nicht sehen"(「もし,あなたのウィンドウズへの信頼を失いたくなければ,この講演は聴かないほうがよいでしょう.」)

英国で2人目,スコットランドでは初めてのエボラ感染者確認

英国において最初の感染者が確認されたのは今年10月で.シエラレオネで感染した男性看護師でした.そして,今回,スコットランドで確認された感染者もシエラレオネで勤務していた女性看護師とのことです.

以上,SPIEGELの"Lebensgefährliches Virus: Patientin in Schottland hat Ebola"より.なお,同じく"Malaria in Westafrika: Der vergessene Killer"では,西アフリカでのマラリア感染も広がっているとのことです.

ルーマニアのロマの人々 - SPIEGELのビデオ(ドイツ語)

Facebookが行った実験についてのCNNの番組


69000人の利用者のページから,あるグループではポジティブな内容を,別のグループではネガティブな内容のポストを意図的に削除するなどして,実験の対象となった利用者の反応を観察していたことことについての討論です.(当該の実験については,日本語版のWall Street Journalの6月30日付の記事などが詳細を報じています.他では,The Guardianの12月9日付のこちらの記事,またLe Mondeなどが今年を振り返る企画の中で取り上げています.)

NSAでも侵入することができなかったアプリケーション

以下のとおり.
  • GnuPG:電子メール保護
  • Tails:Linusベースの基本ソフト.利用者に関する情報を秘匿.
  • OTR: インスタントメッセージング(チャットの一種)の暗号化ソフト
  • Whispersystemsによって開発された一連のソフト
  • Truecrypt:ドキュメントの暗号化ソフト
  • Tor:世間でよく知られたソフト(NSAが何とかしてガードを破ろうとしている.)
上記ソフトは,先日,ハンブルグで開催されたChaos Communication Congressで2人のアメリカ人ジャーナリスト,Jacob AppelbaumさんとLaura Poitrasさんによって報告されたものです.なお,NSAの通信傍受に対し,httpsはもちろん,SSHもVPNも有効な防御対策にはなりません.

以上,L'OBSの"NSA et la sécurité du web : quels outils lui résistent encore ?"からでした.SPIEGELの関連記事"Prying Eyes: Inside the NSA's War on Internet Security","Hackerkongress 31C3: "Wir können was tun, wir müssen was tun""

上記の他,SPIEGELの"Snowden-Dokumente: Was die NSA knacken kann - und was nicht"でエドワーズ・スノーデン氏が公開した関連資料が公開されています.以下,訳すのが面倒なのでドイツ語のままですが,リンク付で引用します.(各リンク先の資料は,もちろん英語で書かれています.)また,NSAのからくりについて詳しく知りたい場合,ドイツ語でも差し支えなければ,NSAの活動について報じたことで,ドイツのMedium Magazinから2013年の最優秀ジャーナリスト賞を与えられたSPIEGELの2人の記者Holger StarkさんとMarcel Rosenbachさんの共著:"Der NSA-Komplex"がお薦めです.(本ポスト最後の映像参照.)

暗号化に関するもの:

(SkypeもVOIPの暗号化も問題なく解読されています.)

通信者特定の方法:

OTR(Off-the-record-Protokoll)による暗号化には,さすがのNSAもお手上げのようです.)


暗号化された通信の盗聴傍受について


VPN通信の盗聴傍受について:

(こうなると,高いコストをかけてVPNを導入しても何の意味もありません.)

SSL/TLS通信の盗聴傍受:


ファーストフードをたくさん食べる子供の学習能力は低下する!?

小児科学の専門誌Clinical Pediatre誌が公開したKelly Purtell氏とElisabeth Gershoff氏という2人の研究者によって11,740人の子供を対象とした調査結果です.

それによると,注意が必要なのは特に10歳前後の子供たち.定期的にファーストフードを摂取する子供は,他の子供に比べて,特に読解と科学の分野において学習能力が20%低下することが確認されたそうです.この結果は,運動量,テレビの視聴時間,ファーストフード以外の摂取食物,家庭の生活水準,さらに居住地域および通う学校が位置する地域の環境を考慮しても変わらなかったとのことです.

オリジナルのサマリーはこちらから,全文閲覧及びダウンロードは有料.

以上,L'OBSの"Le fast-food rend-il les enfants moins performants à l'école ?"とLe Figaroの"Contre les mauvaises notes à l'école, supprimez le fast-food"からでした.

以下,個人的な思い出です.マグドナルズの店がまだ珍しかった70年代前半,つまり我が子供時代ですが,銀座のテアトル東京という大きな映画館に行くのが楽しみのひとつでした.そのとき,必ず付近のマグドナルズでビッグマックを食べるというのが恒例となっていて,今でも良い思い出です.マクドナルズでもほかのチェーンが提供するファーストフードでもたまに食べる程度なら問題はないでしょう.日本の子供がアメリカ人ほど食べることはありえないでしょうから.(日本のマクドナルズの,特に混み合う渋谷などの店舗にあると便利と思うのが自動注文受付機.もう設置されているでしょうか.かなりの間,行っていないので確認していませんが.)

フランクフルト駅構内のマクドナルズの入口のすぐ近くに設置されている自動注文受付機.もちろん英語や他の言語にも対応.クレジットカードで利用でき,注文後すぐに専用の受け渡しコーナーで品物を受け取ることができて便利.窓口は大勢のお客で混雑しているのに,利用しているのは酔狂で珍しもの好きの私くらいでした.(私も.今年,初めて利用しました.)

大雪に見舞われたヨーロッパ - L'OBSのフォトギャラリー

こちらからどうぞ.16枚.

"Riddance Day" - タイムズスクエアでの厄落とし

「おん厄払いましょう.厄落とし!」と英語で何というのか知りませんが,ニューヨーク市が主催したイベント.今年のいやな思い出を紙に書いて捨てましょう.来年が良い年となりますように.「西海に鬼神をほうるいそがしさ」(『柳多留拾遺構初篇』)ではなく,「ゴミ箱に災厄ほうるいそがしさ」といったところです.


Monday 29 December 2014

アメリカの司法当局で使用されている刑を決定するアルゴリズム

日本での導入はいつになるのでしょうか.それとも,もうすでに導入されているのでしょうか.26日付Le Mondeの"Ouvrir les algorithmes pour comprendre et améliorer les traitements dont nous sommes l’objet"の中で,アメリカの裁判所で用いられている面白い仕組みが紹介されていました.それは,罪を犯した人に課す刑罰をモデルを用いた計算によって決めるというもの.(詳しくは,ニューヨーク大学のGovLabのLuis Daniel氏による"The Dangers of Evidence-Based Sentencing"をお読み下さい.)アメリカのおよそ20もの州で採用されている方法です.計算に用いるパラメーターは,すべての州で全く同じではないものの,多くの州が年齢,性別,配偶者の有無,教育水準,職業などから適正と思われる刑罰と再犯率を割り出しています.ただ,この方法による刑の決定の過程における問題は,個々のケースの特質が無視されてしまうことであるとエリック・ホルダー司法長官は述べています.ホルダー長官は,過去の事例から統計的に導き出された数値を用いた場合,黒人の若者が犯罪を犯した場合,他の犯罪者よりも20%も長い刑期が課せられる可能性があると言います.なお,今年の8月10日付でニューヨークタイムズは,この仕組みが憲法に違反しているという記事を掲載しています.

この記事を書いたミシガン大学の法学部のSonja Starr教授は,Stanford Law Reviewに掲載された"Evidence-Based Sentencing and the Scientific Rationalization of Discrimination"というエッセイの中で,問題の仕組みについて以下のように説明しています.ミズーリ州では,各被告には-8から+7のスコアが割り当てられますが,その際の判定基準の例を挙げると,失業者で十分な教育を受けていない場合は,高卒の就業者に比べて3点少なくなります.また,22歳の犯罪者は45歳の犯罪者に比べ,平均で同様に3点少なくなります.刑務所での服役歴がある場合は1点加算され,4犯以上の前科があり,刑務所での服役歴が無い場合は,1点加算(前科が3犯以下の場合は0点加算).服役していても条件付き出所などの経験がある場合,何故か脱獄も含めて1点加算.しかし,犯した罪の重大さによって点数が加減されることはありません.つまり,この仕組では,犯した罪の重さや軽さは全く考慮されず,その人間についての情報のみが判断の対象となるということです.そして,このような方法で決定された刑期が,それより短い刑期が適用された場合に比べ,出所後の元服役者の再犯率が低くなるという保証は何等ないというのがLuis Daniel氏らの意見です.

以上が,記事の抄訳ですが,TPPにおける交渉対象品目にこうしたソフトウェアは含まれているのでしょうか.アメリカとしては日本に売り込みたいのかどうかに興味があります. そして,日本は他の特定の品目の関税を守る為に,それを導入するのかにも...

理化学研究所のスタップ(STAP)細胞研究について報じた日本のジャーナリストに読んでほしい学術論文(英語)

例えば,こんなエッセイに目を通されましたか.以下,ご参考迄にサマリーを引用します.執筆者は,スタンフォードのMeta-Research Innovation CenterのJohn P. A. Ioannidis氏です.
There is increasing concern that most current published research findings are false. The probability that a research claim is true may depend on study power and bias, the number of other studies on the same question, and, importantly, the ratio of true to no relationships among the relationships probed in each scientific field. In this framework, a research finding is less likely to be true when the studies conducted in a field are smaller; when effect sizes are smaller; when there is a greater number and lesser preselection of tested relationships; where there is greater flexibility in designs, definitions, outcomes, and analytical modes; when there is greater financial and other interest and prejudice and when more teams are involved in a scientific field in chase of statistical significance. Simulations show that for most study designs and settings, it is more likely for a research claim to be false than true. Moreover, for many current scientific fields, claimed research findings may often be simply accurate measures of the prevailing bias. In this essay, I discuss the implications of these problems for the conduct and interpretation of research.
当該の論文は,こちらから全文無料でダウンロード可能です.

ところで,スタップ細胞を巡る日本のニュースメディアに寄る一連の報道に感じたのは,ホリエモンシンドロームとでも呼べそうな,当時のライブドアの社長だった堀江氏を巡る報道においても見られるものと全く同一の姿勢でした.もちろん,それを世間一般が求めていることも否めませんが.

2014年はドイツのエネルギーにとってのエポックメーキングイヤー

その理由は,初めてクリーン電力が総電力量において最大となる25.8%のシェアを獲得したからです.Bundesverband der Energie- und Wasserwirtschaftによると,過去12ヶ月間におけるクリーン電力(水力,風力,太陽光,ビオガスによるもの)は1,574億 kilosatt hourだったそうです.そして,SPIEGELのこちらの記事にもあるように,原子力,石炭火力による発電量は減少しました.

ただ,こうしたクリーン電力の増加の裏で,環境にとって好ましくない情況も生まれました.それは,コストの低い褐炭火力発電の25.6%というシェアです.つまり,クリーンエネルギーにおいては優等生であっても,環境保護(気候変動対策)の分野においては,改善の余地がまだ残っているということです.なお,ガス火力による発電量は着実に減少しており,今年のシェアは9.6%だったそうです.

以上,SPIEGELの"Elektrizität in Deutschland: Öko-Energie erstmals wichtigste Stromquelle"からでした.

それでも,同じSPIEGELの"Erstmals seit Jahren: Ausstoß von Treibhausgasen ist gesunken"によると,ドイツの温室効果ガスの排出量は2014年において過去数年来はじめて減少に転じたとのことです.

航空業界の現状を示すSPIEGELのインフォーグラフ

まずは,全体の情況を示したものから.以下,各グラフの簡単な説明です.
  1. 世界で最大規模の航空会社(数字の単位は100万passenger kilometer.)
  2. 世界の全航空会社の決算情況(単位は10億ドル.)
  3. 各アライアンスのマーケットシェア
  4. 世界で最も利用者の多い空港ベスト10
次は,エアバスとボーイングの比較
  1. Umsatz:総売り上げ;Verlust/Gewinn:損失/利益;Mitarbeiter:社員数
  2. 年間の民間航空機の受注数
  3. 年間の機材引き渡し数
  4. ベストセラー:Bestellungen:受注数;Auslieferungen:引き渡し数
  5. 各社の巨大機材

SPIEGELの12月の科学関連写真11選

ギャラリーへはこちらから.特に嬉しいニュースは,ロボット義手の技術進歩が著しいということでした.

世界の原子力発電の現状を示すインフォーグラフ

SPIEGELのインフォーグラフです.以下,内容について簡単な説明です.

グラフの上のタブ:
  • Reactoren:原子炉(の数)
  • Reactoren in Bau:建設中の原子炉
  • Stromproduction:発電量
  • Anteil an Gesamtproduction:総発電量に占める原子力起源電力の割合(国毎)
各グラフの凡例:
(各国の上に矢印を置くとさらに詳しい数などの情報が示されます.)
  • Reactoren:最も薄い色が1基,最も濃い色が100基を表しています.
  • Reactoren in Bau:最も薄い色が1基,最も濃い色が27基を表しています.
  • Stromproduction:最も薄い色が2168 GWh,最も濃い色が789017 GWhを表しています.
  • Anteil an Gesamtproduction:最も薄い色が2パーセント,最も濃い色が73パーセント(疑いの余地無くフランス)を表しています.

Mode trends 2015 - SPIEGELのギャラリー 

ハッカーたちの団体"Chaos Computer Club"の楽しい年次総会

ドイツ語ですが,その模様が映像で紹介されているサイトはこちらから.また,全体のプログラムはこちらで閲覧できます.なお,クラブのサイトはこちらです.

Sunday 28 December 2014

ドイツの蒸気機関車01形ファンの方へ朗報 - ウルム鉄道友の会所有の3気筒重油燃焼機01 1066復活!

今年の9月にオーバーホールが完了し,大勢のファンが待ちこがれていた動態復活を果たしました.(詳しくは,ドイツ語ですがUDFのこちらのページをご覧下さい.)今年のドレスデンSL祭は,01形誕生90周年ということで,多くの01および03が出揃うとのことですが,01 1066も,もちろんその中に含まれているとのことです.UDFの年間スケジュールのダウンロードはこちらから.なお,形状から判るように,この機関車は元西独国鉄(DB)に所属していたため,EDV番号は012 066-7ですが,プレートは帝国鉄道時代のものを付けています.(東独国鉄には3気筒の01形は存在しませんでした.)ところで,もう1両,012の動態保存機としてオランダSL財団の10 1075(012 075-8)がありますが,ことによると,彼女も今年のドレスデンSL祭に姿を見せるかも知れません.

そこで,久しぶりに鉄道プランナーの中で1066号機の勇姿を見ることができる機会を探してみると少なくとも今年前半では次の運行が予定されているようです.
その他,01 202(DB仕様機)と01 118(旧帝国鉄道仕様機)については以下の運行が予定されています.
  • 5.21 - 5.25:01 202が牽引するラインゴールド号
  • 5.24, 25:週末に開催されるTaunus蒸気機関車祭.01 118牽引の特別列車が両日共Furankfurt-HöchstとKönigstein間を数往復します.52形牽引の特別列車も運行されます.詳しい時刻表はまだ公開されていませんが,主催するフランクフルト保存鉄道協会のサイトのこちらのページを確認ください.(今年の様子を写した写真を数枚こちらのポストに載せてあります.なお,撮影の際には,いずれのSLもフロントをKönigstein方面に向けたままで,方向転換はありません.Furankfurt-Höchst駅には後部,つまり炭水車を先頭にして入線して来ます.そして,Königsteinに戻るときに列車の先頭に移動します.その様子を撮影する場合は,到着するプラットフォーム上ではなく,隣のプラットフォームで待機したほうが良いようです.下図参照.)
Furankfurt-Höchstの駅.Königsteinから到着する列車を牽引する機関車は,おしりから薄緑色の矢印が示すように一番北側のトラックへ入線してきます.そして,同じフォームの向かい側のトラック,あるいはその隣のトラックを使って列車の先頭に移動します.そのため,白い矢印で示したように,となりのプラットフォームの,どちらかというとKönigstein寄りで待つとよさそうです.
下は,今年の冬,クリスマス市が開かれていたモントルーへ向かった01 202牽引特別列車の映像です.

AirAsia,QZ8501便の消息について

消息を絶ったのは,ジャワ島上空で現地時間07:24だったそうです.162名の乗客の内訳は以下のとおり:
  • シンガポール国籍:1名
  • フランス国籍:1名
  • マレーシア国籍: 1名
  • 韓国籍:3名
  • インドネシア国籍:156名(含子供16名,乳児1名)

中国,共産党員よりクリスチャンの方が多数派?

正確な数字は判りませんが,中国のキリスト教徒の数は2千3百万から1億人と言われています.共産党員の数が8千5百万人ですから,党にとっては無視出来ない数字です.

最近,当局によって特に激しい弾圧を受けているのが,中国のイェルサレムと言われる浙江省の温州市.同市には,浙江省に存在する4000ものキリスト教会のほぼ半数が集中していますが,昨年,クリスチャンたちに対し,夜に十字架を点灯しないようにという命令が,そして,その数ヶ月後,教会の建物から外から目につく十字架を外すようにという命令が出されました.それを受け,すでに400もの教会が建物から十字架を外しています.そして,今年のクリスマスの直前,ある教会が再び十字架を掲げたところ,1時間後,パトロール中の官憲によって発見され,直ちに撤去されたそうです.中国に於けるクリスチャンたちの権利を守る為に活動しているZhang Kai弁護士によると, すでに多くのクリスチャンたちが逮捕され,現在でも少なくても2人のクリスチャンたちが拘束されているそうです.

当局が,特に警戒しているのは子供たちがキリスト教の影響を受けることです.新華社によると,温州市では幼稚園と小学校においてクリスマスを祝うことが禁じられ,当局の命令に従っているか監視するための要員が配置されているそうです.当局は,また,大学生たちをクリスマスという行事に馴染ませないように神経を尖らせていて,西南市*1)のある大学では「クリスマス廃止」と書かれた"高札"が掲げられたそうです.そして,クリスマスには,大学生達のために3時間もの孔子についての映画が上映され,映画を見ない学生は処罰の対象となったようです.上映中,学生の中に中座するものがないように教員達は目を光らせていたともいいます.そのほか,大学のキャンパスには「中国の誇り高き若者となるよう奮励努力せよ!西洋の低俗な祝祭に断固抵抗せよ!」,あるいは 「西洋文明の拡散に断固抵抗せよ!」などと書かれたバナーが掲げられいるとのことです.*2)

ところで,ロイター通信の報告によると,ある大学の共産党活動員によって運営されているブログには,最近の中国の風潮について「年々,多くの中国人が西洋の祝祭習慣を共有するようになってきている.そうした中国人たちは,西洋のほうが中国より進んでおり,《かっこうよい》と考えている」と書かれたポストが公開されました.実際,今や,とりわけ教育水準の高い中国人にとってクリスマスにパーティーを開いたり,プレゼントを交換し合ったり,また,家の周囲に飾りつけを行うことは日常化しているといいます.

12月24の夜,香港では,民主化を求める数百人の人たちが,街頭で当局への抗議の意味を込めてクリスマスの歌("Nun freut euch, ihr Christen":*3),"Hark! The Herald Angels Sing"*4))を歌ったそうですが,参加者の中から少なくとも10名の男性と2名の活動家が逮捕され,その中には,13歳の子供も含まれていたそうです.警察は逮捕の理由を彼らが市中に混乱を招き,道路を占拠したためとしています.

以上,12月25日付SPIEGELの"Repressalien gegen Gläubige: Chinas Führung will Weihnachten abschaffen"からでした.




*1) アルファベットで書くとXian.(ラテン文字を使う諸国では,クリスチャンの略語としてよく用いられる.)
*2) 意訳.言いたいことは,おおよそ,そんなところかと思います.ドイツ語の原文では,"Bemüht euch, herausragende Söhne und Töchter Chinas zu sein. Widersetzt euch westlichen Kitsch-Festen" ;"Leistet Widerstand gegen die Ausbreitung der westlichen Kultur".
*3)『喜べやたたえよや』
*4)『天なる神にはみさかえあれ』

ドイツ語圏,フランス語圏のニュースメディアの安倍政権に対する視点

まず,ドイツ語圏ですが,少なくともよくみるSPIEGEL(ドイツ)とNZZ(スイス)では,それぞれの姿勢がはっきりしていて,とても判り易いと言えます.例えば,先日の衆議院議員選挙の結果を伝える前者の12月14日付"Japans Premier und Atomfreund Abe. Strahlender Sieger"では,「輝かしい勝利者」や「原発の友達("Nuclear Friend),安倍」といった言葉が使われていますが,後者の同日付"Abes Wette geht nicht ganz auf"では,むしろ自民党が議席を減らしたことを挙げて,必ずしも勝利した訳ではないとコメントし,沖縄では県民の現政権の安全保障政策に対する怒りが渦巻いていると伝えています.そして,12月28日付"Japan legt Konjunkturpaket über 29 Milliarden Franken auf"では,政権のいわゆる「ばらまき」政策を紹介して来年予定されている参議院選挙をにらんだものと報じ,日本のニュースメディアに近い論調が感じられます.(スイス放送のニュースサイトにも同様の記事が掲載されました.)おしなべて,スイスのメディアのほうが日本に対して冷静と言いますか,深く洞察している印象を持っていますが,最近の記事では,選挙とは関係ありませんが,カジノを導入しようとしていることを報じる記事,今年9月11日付"Japan liebäugelt mit Spiel-Casinos"(「カジノゲームに魅了されている日本」)の中でパチンコにのめりこむ日本人の姿を紹介し,その他国に比べて異常に高いギャンブル依存度を数字を挙げて伝えていました.余計なお世話とは言いたくなるものの,読者に考えるための十分な情報を整理して提供するという姿勢は日本ではあまりお目にかかりません.ドイツは,日本に対しては,捕鯨(欧米のメディアはほぼ全面的に反対)と原発や環境政策以外のテーマには,さほど関心を持っていないようです.(いずれの分野でも殆どの場合,批判的な論調が目立ちます.)

フランス語圏では,基本的にフランスの主なニュースメディアしか目を通していませんが(無料の記事のみ),ドイツ語圏ほど丁寧には扱うことは殆どないように見受けられます.例えば,Le Mondeの選挙結果を伝える12月24日付"Troisième mandat de premier ministre pour Shinzo Abe"は,事実を簡単に伝えただけでした.Le Figaroの記事はさらに簡単でした.ただ,Le Mondeは消費税率の引き上げと衆議院の解散が首相によって発表された日に,その経済政策が行き詰まりを見せていることを伝えていました.(Cf. 11月18日付"Au Japon, Shinzo Abe cherche à se relancer") L'EXPRESSは,選挙結果について比較的長い記事(12月24日付"Japon: Shinzo Abe réélu Premier ministre par le Parlement")を載せていましたが,内容はというと,やはり事実を淡々と述べるだけでした.しいていえば,唯一,L'OBSが,12月14日付"JAPON. Shinzo Abe, l'audace gagnante"という「その大胆さが勝利」という言葉を含む大仰な見出しをつけた記事の中で,安倍政権の政策について,首相の祖父の岸信介にまで言及し,歴史を踏まえたかなり詳しい分析をしていました.L'OBSのこうした記事を読むと,上の段落で述べたような考える為に必要な情報に加え,歴史的経緯もかなり遡って伝えるヨーロッパのメディアの姿勢に大いに共感を覚えるものです.(日本の場合は,「年忘れ〜」という言葉に表されるように過去(特に災い)を簡単に忘れる,あるいは忘れようと努力するので仕方が無い部分もあるのですが.)

なお,アベノミックスが転じてアベゲドン"Abegeddon"になるという論説は,英語圏およびドイツ語圏において多く見られますが,フランス語圏では確認した限り見られませんでした.

結論めいたことを言うならば,あくまでも個人の好みではありますが,日本について深く冷静に考えるのであれば,例えば,NZZなどのスイスのニュースメディアの日本についての記事を読むとよいのではないかと思います.(ドイツ語に馴染みがなくても,翻訳ツールで英語に訳せば大半の意味は理解できます.試しにNZZのサイトで"Japan","Abe"といったキーワードで記事を検索してみることをお薦めします.)

1858年以降の英国人4100万人もの遺書をウェブ上で公開

ハッキングによるものではありません.英国のThe National Archivesが昨日から開始した公共サービスです.苗字,または没年を入力することで当該書類を探すことができます.なお,コピーの入手は有料です.公開されたもののなかには,もちろん,チャーチル首相やダイアナ王妃,そしてチャールズ・ディケンズ,ジョージ・オーウェルなどの遺書も含まれています.

以上,L'EXPRESSの"Diana, Churchill, Dickens: 41 millions de testaments britanniques mis en ligne"からでした.

以下,これを読んで思ったことです.

まず,日本では絶対と言って良い程,実現される可能性がないプロジェクトであること.そして,その場合,一番反対するのは大学であろうということ.何故ならば,日本の大学はどういうわけか,自分のところに収蔵されている資料の公開を嫌うからです.(国際なんとか大学というように,"国際"という枕詞をつけていようがいまいが,情況は全く同一.)ようするに知の独り占め,知的エゴイズムの固まりなのです.日本に存在するすべての組織は,多かれ少なかれ農耕村落共同体的意識によって支配されていますが,大学程それが顕著なところはないようです.公共という言葉が彼らの頭には存在していないのではないかといぶかしく思う程です.

それに比較すると,西側諸国の大学やアーカイブスは,自分たちの公共における使命を極めて明確に認識していて,実際,英米で保存されている日本に関する貴重な資料は,これまで自由に閲覧させていただくことができました.例えば,米国のあるアーカイブスは,メールのやりとりだけで必要な書類をPDFファイルにして送ってくれました.有料でしたが,安価で,しかもPayPalでの送金が可能でした.

日本の大学やアーカイブスの知的エゴイズムは,恐らく,上で述べたように村人的意識がその基盤となっていると思うのですが,まず,日本人の大多数が持つ心霊信仰,つまりスピリチュアリズムから,昔の資料をよそにみせると,その資料に関係した死者の祟りがあることを無意識に恐れている可能性があります.さらに,それが,すぐに自分たちの利益になることがなくても, 将来,そうなることも考えて公開を避けていることも考えられます.日本人は,世界に存在している"運",あるいは"Luck"は,田んぼに入れる水同様,有限であると無意識のうちに考える傾向があります.そのため,所有しているものは,なんであろうと自分が属する集団の外に出すのを嫌います.それと一緒に"運”が去って行くのを恐れるからです.そして,それらを言葉に出すことも嫌います.それは古く狩猟採取時代に,豊富な獲物がある場所,あるいは山菜が生えている場所の情報は,他の村に知られることを恐れた名残りなのでしょう.

幼稚で非合理,非近代的.まさにガキンチョ的意識です."Gakinchoism",あるいは,"Gakiism"という言葉を日本の大学の非公共的姿勢を形容するためにつくってもよいのではないでしょうか.(もっとも,彼らのマーケッティングのターゲットであるほんとのガキンチョの数も,これからますます少なくなって行きますが.)

シネマテークでクロード・ソテの作品の回顧上映 - 1月4日迄

今月10日から始まっていたのでに気がつかず,今日に至ってしまいましたが,優れた映像作家だったのみならず,多くの同業者達の脚本の推敲にも協力を惜しまなかったため"Script doctor"のニックネームまでもらったというクロード・ソテの作品がシネマテークで上映されています.上映スケジュールはこちらから.詳しい情報は,シネマテークのこちらのページで.

L'OBSの関連記事

Saturday 27 December 2014

食事と楽しめるシャンパーニュと祝儀用ワインその他

基本的にお酒は飲めないので,関心もないのですが,L'EXPRESSのギャラリーへのリンクです.26本紹介されています.そして,こちらは,あてになるかどうかは判りませんが,やはりL'EXPRESSが選んだ2014年のベストレストラン.L'EXPRESSのレストランディレクトリーも載せておきます.加えて,祝膳用デザートの調理法.以下,同じく祝膳用料理の調理法(おいしそうに思えたもののみ)です.

そういえば,下から二番目のパルメザンチーズを使った牡蠣のグラタンなるものを見て思い出したのが,以下のエピソード.先日,フランスからお客様を迎えましたが,その方は,大の日本通で日本びいき.日本での留学経験や働いた経験もお持ちですが,フランス人(しかも食文化で有名なリヨンのご出身)としては珍しく,牡蠣は全くの苦手だったそうです.しかし,日本で牡蠣フライと出会い,それ以来,食べられるようになったとか.そのせいか,ご本人のご希望でご一緒した天ぷら屋さんでは牡蠣の天ぷらを美味しそうに召し上がっておられました.それまできらいだった食材が,異国の調理法で頂いたことで食べられるようになる.そんなこともあるのだと興味深く思った次第です.(私の場合,嫌いなものはどこで食べようが嫌いですが.)

ロシアが2019年の実戦配備を目指す列車ミサイルSS-27

ルーブルの下落,物価の上昇,石油生産量の減少などで窮地に陥ったロシア.いよいよ最後の一手といわんばかりに,先日,それまで安全保障を妨げる要因は国内にあるとしていた軍事ドクトリンを変更.敵は西側諸国,とりわけアメリカ,そしてNATOであると言い出しました.(Cf. "Nato und Ukraine sind jetzt Putins größte Feinde", "Auf dem Weg in die Staatspleite" in SPIEGEL,)

事実,NATOの発表によると,10月末にロシアの戦略爆撃機や戦闘機が北海,バルト海,黒海,そして大西洋上の国際空域を飛行するのが確認され,その際,NATO側からの連絡に対し,いずれも応答がなかったそうです.NATOは,これをロシア側の挑発行為とみています.

さて,ロシアおよび同盟国に対する攻撃には核兵器の使用も辞さないとする新しい軍事ドクトリンの目玉となりそうなのが,ソビエト時代に開発された列車に搭載された発射台から発車される核ミサイル(BShRK).これが再びロシアの戦略ミサイル部隊(RWSN)で採用されることになったのです.貨物列車と見分けがつかない列車で搬送されるため,先制攻撃を避けられるのが強みであるこの兵器の構想は,すでに敗戦間際のドイツで生まれ,列車からV2ロケット爆弾(Aggregat 4, A4)の打ち上げ実験が実施されたこともありました.

ロシアで列車ミサイルの実験が開始されたのは1983年2月.そのとき使われたのはRT-23ミサイルで,1基につき50 キロトン核弾頭を10個搭載できるものでした.射程距離は最大で1万キロ.1989年になると,NATO側ではSS-24と呼ばれた新しいタイプのRT-23 UTTCh"Molodez"が導入されました.このミサイルは,搭載できる核弾頭の数は先行タイプと同様10個でしたが,1個の破壊力は500 キロトンへと増大しました.さらに,敵のミサイル防衛システムをくぐり抜ける機能も装備されていました.

ソビエト連邦は,当時,各4つの連隊から構成される3つの列車ミサイル師団を保有していましたが,各連隊は1編成の列車ミサイルによって装備されていたので,合計12編成の列車ミサイルが存在していたことになります.配置場所は,モスクワ近郊のKostroma,ウラル地方のPerm,そしてシベリアのKrasnojarsk.各編成には3基の発射台が搭載されていましたが,これらの列車ミサイルは,その後,アメリカとの合意により2005年に廃棄されました.しかし,Salt-3は新しい列車ミサイルの製造を禁止していないのです.

航空宇宙分野の専門家Juri Saizew氏によると,モスクワの熱技術研究所
において開発されるという新しい列車ミサイルは,2019年に実戦配備されることになるようです.同氏は,SPIEGELのインタビューに対し,兵器自体の開発より,そのコントロールシステムなどの開発に時間がかかるだろうと述べています.搭載されるのはRS-24"Jars"(NATO側のコードネームはSS-27)が予定されていますが,このミサイルに装着可能の核弾頭数は,まだ判明していないそうです.いずれにせよ,150から300 キロトン程度のものを複数装着できることは間違いないと言われています.

以上,23日付SPIEGELの"Russland will neue Atomraketenzüge bauen"からでした. Echo Moskwyの関連ニュースへはこちらから.(ロシア語)

フランス各地の雪景色

フランスも雪の季節となり,各地で撮影された雪景色が公開されています.下の写真はTwitterで公開されたもの.ナンシーのスタニスラス広場だそうです.

ウクライナ,ドネツクのクリスマス風景(L'EXPRESSのビデオ,フランス語)

こちらのページです.(L'est de l'Ukraine cherche un semblant de tranquillité)

今年,フランスで流行ったもの(インフォーグラフ,フランス語)

フランス語ですが,L'OBSのこちらのグラフをご覧下さい.

Hôtel Cæsius Thermæ & Spa Resort ****2名2泊3日ハーフボードプランが459 CHFから(−41%)

イタリア,バルドリーノの温泉ホテルCæsius Thermæ & Spa Resortのバルコニー付ダブルルーム利用プランです.オファーは1月から4月まで.ウェルカムドリンクとしてスパークリングワイン1ボトル付,温泉利用料込,毎朝の朝食と夕食1回(4コースメニュー.飲み物付),WiFi利用無料.予約は,eboutic.chのこちらのページから.(要アカウント開設.I/Fはドイツ語とフランス語.)

どこかで見たような形の旧チェコスロバキア国鉄の464.1形タンク蒸気機関車

チェコ語ですが,写真が多く載っているこちらのページをご覧下さい.以下,この機関車の基本データです.

タイプ:2'D2' h2t
軌間:標準軌
緩衝器を含めた全長:15.3 m
軸重:14 t
最高速度:90 km/h
動輪直径:1.625 m

D形タンク機で動輪直径が1.625 mというのは驚きです.ドイツのD形タンク機65.10は1.6 mでしたが,それより大きな直径です.(D形で,それ以上大きな動輪をはいている機関車となると,ドイツでは,テンダー機の06(2m),19.0(1.905 m),22(1.75 m),39.0-2(1.75 m)くらいで,タンク機には存在しません.)

実は,この機関車を見つけたのは,来年のドレスデン蒸気機関車祭のサイトの過去のアルバムを見ていたときでした.除煙板の形状やエプロン部,そして煙室の上部に取り付けられた前照灯から,日本の旅客用テンダー機関車ではと一瞬思ってしまったのです.しかし,日本の機関車は狭軌用だし,まさかと思い調べたら案の定,外国の機関車でした.でも,偶然とはいえ,良く似ています.両サイドのタンクが見えないと我が国鉄のC61形かC62形と見間違いそうです.

なお,旧チェコスロバキア国鉄の蒸気機関車については,Steam Locomotive Informationこちらのページをご覧下さい.(英語)(他の国の蒸気機関車の情報も提供されています.)

NASAのX線宇宙望遠鏡NuSTARが撮影した太陽の写真

宇宙空間でX線を観測するために打ち上げられたNuSTARが捉えた太陽のフレアです.もうひとつの宇宙望遠鏡,NASAの太陽活動観測機(SDO)が撮影した写真に合成したものだそうです.緑色に見える部分のエネルギーは,2から3 kiloelectron voltsの間,青色の部分は,3から5 kiloelectron voltsの間とのこと.

詳しくはNSAのジェット推進研究所のこちらの記事をご覧下さい.(各画像形式および壁紙ダウンロード可)

韓国の原子力プラント建設現場で作業員3名死亡

ゴリという場所に建設中の原子力発電所で起きた事故ですが,地下ケーブルの保守作業中に漏れ出した窒素ガスを吸ったことによる中毒死だったそうです.なお,放射能漏れによるものではなかったそうです.

もうひとつ,韓国の原子力発電所関連で気になるニュースは,ここ数週間に当該プラントのの設計図や運転マニュアルなどが何者かのハッキングによって盗み出されTwitter上に公開されたことです.さらに,発電所を運営するKHNPの社員10,000人もの個人情報がインターネット上で公開されました.恐ろしいのは,こうした情報がテロリストに入手されることですが,その点については大丈夫なのでしょうか.(Cf. "Südkorea: Drei AKW-Arbeiter sterben wegen Gasleck", "Südkorea: Betreiber von Atomkraftwerken meldet Datendiebstahl" in SPIEGEL)

ところで,こちらはSPIEGELの世界の原子力発電に関するインフォーグラフですが,各図の内容について少し説明します.(データは,ParisのIAEAが公開しているもの.)

  1. 緑の棒は,世界で稼働中の原子炉の数を,赤は停止している数を表しています.特に2011年以降は停止中の原子炉の数が増えました.
  2. 青の棒は,世界の原子力発電所の数を,赤の折れ線グラフは事実上の発電能力を表しています.
  3. 青の棒はEU27カ国における原子炉の数を,赤の折れ線グラフは設備容量(Installed capacity)を表します.
  4. 世界で現在,稼働中の原子炉の年齢を示しています.各棒は当該の稼働年数を経た原子炉の数を示しています.平均稼働年数は,27年.
  5. 2011年度における,原子力による発電量を国別で示しています.日本は世界第4位.(こんな地震や津波,そして台風や火山噴火に見舞われ易い国が発電源として原子力に斯くも依存しているというのは,考えものではないでしょうか.エネルギーの安全保障が担保できても,結果的に住むことができない国になってしまったら元も子も無くなってしまうのではないでしょうか.丁度,敗戦間際に当時の海軍航空隊司令官の大西瀧次郎中将が提唱した2,000万特攻と同じよう発想に思えて来ます.2,000万人と言えば,当時の成人男性のほぼ総数ですが,彼らが特攻で死んだら,仮に勝ったとしても一体誰が国の復興のために働くことができたのか,全く非合理な発想としか言えませんが,今の日本もこうした非合理な考えに支配されているようです.)

Railcolor.netのiPhone用ケース - BLSのELバージョン

スイスのBern-Lötschberg-Simplon鉄道の電気機関車があしらわれたiPhoneカバー.同様のデザインの他のアイテムも用意されています.購入はこちらから.また,こちらには同じアーティストによる作品が紹介されています.同様にこちらにも.

Friday 26 December 2014

Global, regional, and national age–sex specific all-cause and cause-specific mortality for 240 causes of death, 1990–2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013

Article 
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published by THE LANCET
Related article in NZZ, a swiss newspaper in German

L'EXPRESSによる我が家のツリーベスト3

300を超える写真が送られてきたそうですが,その中で選ばれたのはこちらの3枚.来年の参考に.

無人航空機によって撮影された2014年の主な事件

印象的なのは火山の噴火の映像ですが,こうした技術を減災に活かすことができないか,ふと思いました.



オリジナル映像へのリンク:
"コスタ・コンコルディア"の最後の航海
ウクライナ,マイデンの蜂起
雨傘運動
南仏の洪水
アーカンサスの竜巻
人影のないチェルブイリの町
噴火する火山(タンナ島)
イルカの群れ
花火
セルフシューティング

7つの数字で理解するLe Mondeの70年の歴史(ビデオ,フランス語)

モーリタ二アで1960年の独立後初めての死刑判決 - 罪状は予言者モハメッドの冒涜

背教の罪で裁判が開かれたのは,独立以来,今回が最初です.被告は,最下層のカーストに属する鍛冶職人のMohamed Cheikh Ould Mohamedという名前の若い男性.彼は,彼が属するカーストに対する偏見や差別を不当なものとして,聖戦時代に予言者モハメッドや彼の協力者たちによってなされた決定を批判する意見をインターネット上に公開しました.その直後,各地で彼の意見に抗議するデモンストレーションが巻き起こり,今回の裁判へと発展したのですが,死刑判決を受けて,喜びのあまり町に繰り出した人の中には,「アラーは偉大なり!」と叫ぶ人もいたそうです.

モーリタニアの人口は,現在,およそ4百万.それを構成しているのは,ムーア人と呼ばれるアラブ・ベルベル系の人々と南サハラ系の人々です.近代化される前には,ふたつの民族それぞれの内部に複数の部族とカーストが存在していたのですが,鍛冶師や漁師,そして猟師たちは,すべての部族において最下層のカーストに所属していました.Mohamed被告は,モーリタニアの社会に現存するこうした制度が予言者モハメッドの時代から受け継がれたものであり,彼が属するカーストがその犠牲となっていると訴えたことが結果的にイスラム原理主義的風潮が強くなりつつある社会と国家の反感を買ったのでした.

以上,L'OBSの"MAURITANIE. Il a défendu sa caste, il est condamné à mort "からでした.L'EXPRESSの関連記事;Le Mondeの関連記事

映画"The Interview"の内容に関するニュースメディア社説

L'OBSの25日付"Ils ont regardé "L'interview qui tue ! ", ils ont détesté"いよると,つまらない,くだらない,低級,今回の騒ぎがなかったら全く注目されなかっただろうという点で世界の批評家達の意見は一致しているようです.以下,引用されたニュースメディアです.(内容は,面倒なので訳しません.ご了承ください.)
  • RTLのFrédéric Autranのコメント
  • France InfoのCharlotte Alixのコメント(彼女は,もし,北朝鮮がハッキングの犯人であるとすれば,ソニーは(斯くも大規模なキャンペーンを実施してくれた)この国に感謝すべきだと述べています.)
  • Europe 1のコメント
  • Slate.frのコメント
そして,アメリカでも...
  • Boston Globe
  • Bloomberg
  • Variety(以下,記事のキャプションから引用です.)
    "For all its pre-release hullabaloo — including two big thumbs down from Sony hackers the Guardians of Peace — this half-baked burlesque about a couple of cable-news bottom-feeders tasked with assassinating Korean dictator Kim Jong-un won’t bring global diplomacy to its knees, but should feel like a kind of terror attack to any audience with a limited tolerance for anal penetration jokes. "
おしまいにカナダの
  •  Journal de Montréal(「北朝鮮は,この映画を公開させないことで,むしろ,私たちに対して善を施そうとしたのではないだろうか.」) 
Le Mondeの関連記事
SPIEGELの関連記事Japan TimesのA. O. Scott記者が,"It’s time for Sony Japan to say no"と述べたことが伝えられています.)

クリスマスのチョコレートロールケーキのシンボリズム

フランスでは,クリスマスにデザートとしてチョコレートロールケーキを食べます.最近では,日本でも,ケーキ屋さんのショーケースの中に紅白のデコレーションケーキに混じって見かけるようになりました.

相当伝統のあるケーキと思いきや,その起源は案外新しく,1870年がその誕生の年とされています.19世紀ですね.以下,その意味についての説明の要約ですが,詳しくは,フランスの各地域のクリスマスについて解説しているNadine Cretin著"Noël des provinces de France"をお読み下さい.(Editions Le
Pérégrinateur, 14,90 euros.)

何故,薪の形をしているのか?

冬至と関係があります.一年で最も夜が長くなるこの日には,その昔,1本の大きな薪が火にくべられました.この薪はいつも使うものとは異なる聖なる薪とされました.冬至の日,この薪には少量のワイン,あるいはオリーブ油が注がれました.そして,それは長男と末の息子によって暖炉にくべられたのです.家系の末永い繁栄という願いを込めて.

この儀式は,フランス各地で異なりますが,この薪はクリスマスの夜のみ,あるいはそれから顕現節までの間,つまり12日間燃やされました.その場合,12日の各1日は1ヶ月を意味し,1年を象徴的に表したものでした.そして燃えさしは保存され,家族に何か悪いことが起きたときに再び火にくべられました.災厄を避ける為でした.

こうした儀式はいつから始まったのか?

類似の儀式はヨーロッパ各地に存在することから,紀元前2500年ごろにインド・ヨーロッパ語族を話す人々によって各地に広まったと思われます.そして,クリスマスが今日の統一された形態を採る1950年代以前には,こうした儀式が部分的に存続されていたのです.

儀式の持つ意味は?

まず,占いの意味があります.薪として用いられたのは,主に果樹でしたが,それは火花がたくさん出るからです.そして,それらの火花が大きければ大きい程,翌年は良い年になると考えられたのです.つまり,豊かな収穫が得られ,干ばつや洪水が少ない年となると.

もうひとつは,魔除けとしての意味です.冬は寒さの故に,家は閉じた空間となりますが.唯一,空に向かって開いた煙突を通じて外界とつながっています.霊や魔物が活動すると信じられた夜,薪は先祖の霊や,将来生まれる子孫たちの居る場所,つまり彼岸の象徴であり,魔性たちがもたらす災いから家族を守ってくれる役目も持っていたのです.同様に,クリスマスクッキーのとげにも魔性たちの影響から守ってくれる力が宿ると信じられていました.

いつ薪はお菓子になったのか?

1870年頃です.そのころ,ケーキ職人たちはロールケーキを考案しましたが,それを薪に見立てたものが,今のチョコレートロールケーキの元祖と思われます.それ以前のクリスマスのお菓子というと,生地の中にたくさんの材料が詰められたものが主流でした.英国のミンチパイやプディング,ドイツのシュトーレン,イタリアのパネトーネなどです.これらの中には特に干しぶどうがたくさん入っていました.乾燥果実は長期間の保存が可能なことから,翌年の幸せ,そして末永い繁栄の象徴だったのです.

以上,L'EXPRESSの"Bûche de Noël: du haut de ce gâteau, 5000 ansd'histoire vous contemplent"からでした.

年を越しそうな謎

スイス放送のニュースサイトの記事"Die grössten Fragezeichen 2014"から,一般的なものを紹介します.
  1. MH370は,今どこに?
    ライフジェケット,機体の残骸,座席のクッション等々,手がかりとなるものはこれまで何一つ発見されていません.(ドイツ語ですが,こちらに経緯をまとめたインフォーグラフが提供されています.)

  2. 原子力プラントでメルトダウン発生時,ヨードタブレットは効果があるのか?
    スイスでは,この年末,500万人が政府からヨードタブレットを支給されました.このヨードタブレットは,甲状腺を放射能から守るとされていますが,本当に効果があるのでしょうか.また,実際,この錠剤はどのように作用するのでしょうか.(こちらは,スイスの原子力発電所の所在地を示した地図.)

  3. 誰がMH17を撃墜したのか?
    事件は7月にウクライナ東部上空で発生.乗員乗客298名全員の死亡が確認されました.しかし,誰が,この大惨事を招いたのか未だに明白になっていません.西側諸国はロシア寄りの反政府勢力,そして,ロシアはウクライナをその真犯人として非難しています.オランダによって率いられている調査委員会は,事件についての情報をなんら明らかにしていません.

  4. キム・ジョン・ウンは,まだ権力を保持しているのか?
    最近開催された党の重要なイベントも含め,最近,まったく姿を見せなくなりましたが,10月に公開されたインタビューに応じている写真で彼はステッキを持っていましたが,怪我をしていたのでしょうか,あるいは病気だったのでしょうか.少なくとも,専門家によると,独裁者はまだ権力を掌握しているようです.(Cf. "Nordkorea-Experte: «Kim Jong-Un wurde nicht entmachtet»")

  5. 何故,"ハイル,ヒトラー!"式挨拶は禁止されないのか?最後は,スイス国内のこと.連邦裁判所は,公の場に於けるこのジェスチャーそのものは処罰にあたらず,ネオナチズムのプロパガンダの手段となった場合のみ処罰の対象とするという判決を下しました.この決定は国内外に大きな抗議の声を巻き起こしましたが,鍵十字や極右主義のシンボルの使用も,スイスでは基本的に刑罰の対象とはならないとのことです.

2014年ナショナル・ジオグラフィックフォトコンテストの入選作

17日に発表されました.こちらのL'OBSのギャラリーでご覧下さい.

Thursday 25 December 2014

Facebookで公開された楽しい写真

SRFのDie witzigsten Facebook-Posts der Woche 49で集められていた写真の中から気に入ったもの2枚です.上の写真は,元のサイトに見つかりませんでした.




最後に江戸川柳で好きなもののひとつが,「鈴(りん)をもたねば追いはぎに会ったよう」.寒中に男性が下着だけ着けて行う寒参りの様子を描写したものです.

改めて確認されたレスベラトロールの効能

22日にNature誌に発表された研究報告により,再びレスベラトロールの効能が注目されているようです.

クルミ,ココア,リューバーブ,ブドウなどに含まれるこの物質は,人の細胞に含まれる別の物質を活性化し,後者はストレスや細胞の老化がDNAに与える損傷を軽減すると言います.

今回,研究結果を発表したカルフォルニア,スクリップス研究所ポール・シンメル博士によると,レスベラトロールは,これまでの研究で用いられた量よりも少ない量でも効果が認められたそうです.TyrRSという酵素に結びついたレスベラトロールは,前者が持つ,DNAを細胞の老化による損傷から守る多くの遺伝子を活性化するという機能を促しますが,それらによって構造が決定されているタンパク質の中には,ガンの発症を抑えるというp53や"長生きのタンパク質"と言われるFoxo3AおよびSirt6が含まれているので,ブドウ酒は百薬の長と言う訳です.

以上,あてになるかどうか判りませんが,L'EXPRESSの"Le vin rouge prévient du vieillissement, c'est scientifiquement prouvé"(「赤ワインの老化予防効果が科学的に実証された.」)からでした.ようするに,カリフォルニア産の赤ワインを買って下さいということなのかもしれません.もっとも,今や,強いドルのためにワインの輸出もむずかしくなっているのではないかと思いますが.(オリジナルの研究報告の要約と記事を照合したのですが,記事をかいた人が本当に理解していたのか少々疑問を持ちました.専門的な話なので,訳している私にも良く判りません.ただ,レスベラトロールを摂取するには,別にワインでなければならないということでもなさそうなので,個人的には,好きなブドウジュースを今後も飲もうと思っています.それと寝る前のココアも引き続き.なお,研究報告のフルバージョンは有料です.)

手を切らずに牡蠣を開ける方法(ビデオ,フランス語)

10のグラフで振り返る2014年 - Le Mondeより(フランス語)

主にヨーロッパとフランスに関係した数値です.閲覧はこちらから.

L'OBSの報道写真で振り返る2014年(フランス語)

22日から始まった10回シリーズ.31日迄毎日更新されます.今日迄に公開されたのは以下のとおりです.
  1. ウクライナ危機(12/22)
  2. 飢餓に苦しむシリア,ヤムークのパレスティナ難民(12/23)
  3. 自分を撮った写真に贈られるオスカー賞(12/24)
  4. トルコの炭坑爆発(12/25)
  5. イスラム国の支配地域から避難するイェジディ教徒たち(12/26)

ニカラグア,両洋連絡運河建設着工へ

アメリカ大陸の国の中で二番目に貧しいとされるニカラグア.12月22日,この国の政府は,大西洋と太平洋を結ぶ運河の建設開始を発表しました.パナマ運河のライバルとなるこの運河の建設を請け負ったのは,香港の企業HK Nicaragua Canal Development Investment Co (HKNDGroup)(代表は,Xinwei Telecom Enterprise Groupの代表でもあるWang Jing氏.).

現在,環境アセスメントが実施されていて,来年の4月に調査は完了する予定です.計画では運河の竣工は2019年.翌年に開業します.

建設に反対する人たちは,この運河の開通により貴重な飲料水源であるニカラグア湖が汚染されることを訴えています.加えて,工事計画の内容が一切明かされていないこの大事業により,30,000人もの農民たちや,RamasやNahuasといった先住民の人たちが移住を余儀なくされます.

数ヶ月前から,反対する人々のデモンストレーションが活発になってきていますが,治安当局が出動し,それらの押さえ込みにかかっています.

以上,12月23日付Le Mondeの"Le Nicaragua inaugure les travaux d'un canal interocéanique controversé"より.(関連記事:L'OBSの"Le canal du Nicaragua, un chantier pharaonique"


『メランコリア I』の500回目の誕生日

アルブレヒト・ デューラー(Albrecht Dürer:1471-1528)の"Melancolia I"が制作されてから丁度500年.これまで多くの専門家によって,この絵の中に描かれている多面体が何を意味するのか,その謎解きが試みられてきましたが未だに真相は明らかになっていません.


Jan Schneider/www.discretization.deから

これまでに発表された仮説の主なものは以下のとおり:
  • 水晶体
  • すべての角はひとつの球に接している
  • さいころをふたつくっつけたもの
  • フリーメイソンのシンボル
  • 画家が何かを消し去った跡
なお,同じ絵の右上の鐘の下に見える魔法陣のいちばん下の行に15と14が書かれていますが,それらを合わせた1514は,この絵が制作された年になります.

以上,SPIEGELの"Dürer-Polyeder: Ein mysteriöser Körper wird 500"からでした.

SPIEGELの自動車担当記者たちが選んだ2014年のベストカー4モデル

以下,"Die besten Autos 2014:Vier Gewinner"から.「小さいことはよいことだ」が判断の基準だったようです.いずれにせよ,日本のコンストラクター2社のモデルが選ばれたことは望外の喜びであります.
  • BMW i8
    BMWで3気筒というのは,まさに異例中の異例.ドアを開いた姿は,東ドイツ国鉄の《コウモリの耳》形変形ヴィッテ式除煙板を備えた01.5形1号機(旧帝国鉄道01 174)を彷彿とさせます.なお,蒸気機関車の除煙板は,全体が上に開くことはありません.(以下の写真はBAHN Epoche の無料お試しダウンロード版(2012年2号)に掲載されているもの.)



  • Citroën C4 Cactus
    コンパクトな家族用車.スポーツ車のような形状ですが,スポーツ車が備えているような,あまり意味のない機能(例えば,エンジンの回転計など)はありません.

  • Renault Twingo
    Skoda Fabia, Hyndai i20, あるいはOpel Corsaと,2014年は小型車が多く登場しました.そのなかでも,特に注目されるのが,このモデル.リアエンジン(3気筒)タイプのために,全長3.6 mながら,ゆったりとした室内空間を提供しています.そして,最小回転半径8.6 mを実現.選定したTom Grünweg記者は,BenzのSmartは単なる小型("Bonsai")化であり,エヴォリューション(変化)に過ぎないが,ルノーのこのモデルは革命(レヴォリューション)的であると言っています.

  • Mazda 2
    全く見事な迄に独創的(Ganz schön originell)として,Sören Harder記者によって選ばれました.自重970 kgで,しかもヘッドアップディスプレイがついた自動車は他にはないと言います.ハイブリッド車,電動車のいずれも世に送り出していないマツダですが,Skyactiv-Technologieによって燃費と性能を飛躍的に向上させています.(ディーゼルの場合,3.4 L/100 Km.)

以下,自前の01.5(9号機:旧帝国鉄道01 143)の写真です.エアコンプレッサーがシリンダ前方に格納されたりなどしているため,ボイラーの両脇のランニングボードがまっすぐ延びきり,改造機とはいえ,この形式の美しさを際立たせています.

SPIEGELが選んだ2014年のベストフォト52枚

ギャラリーへはこちらから.

Wednesday 24 December 2014

TGVのクリスマス

抽選で当選した家族が招待されたTGVのクリスマス.先週末に開催されたようです.

そして,こちらも素敵なクリスマス風景.
サンタさんと子供たちが乗っているのは141.R.840かもしれません.今年の夏にオーバーホールが完了し,さらに寿命が15年延びたようなので.なお,Le Dépêche du Midiというのは南フランスの新聞.(このように微妙な位置から撮影されると,バッファービームにしかナンバーが表記されていないフランスの機関車は製造番号が確認出来ないので困ります.なまじ形式番号が見えてしまうため,つい人情で製造番号迄知りたくなるのですが,仮に形番が見えなくても国鉄のマークと特徴的なコンプレッサーカバーのために,ほぼまちがいなくミカさん,つまりミカド形機関車の141Rであることは判ってしまいます.ポッポお宅の困った性(さが)ですが,単純に貧乏性と言えないこともありません.)

警官,18歳の黒人を射殺 - ミズーリ州,バークレー

地元のメディアによると,事件は火曜日から水曜日の夜,バークレーのガソリンスタンドで発生.今のところ,射殺の理由は判っていません.現在,セント・ルイス郡警が経緯を調査中とのことです.以下,関連のTweetおよびFacebookのポストです.




以上,L'EXPRESSの"Ferguson: confusion après la mort d'un jeune Noir tué par la police"より.

アメリカ,2015年からホモセクシュアルとバイセクシュアルの献血が可能に

1983年以来,アメリカで同性愛者の献血をその生涯に亘って禁止してきた規制が,来年,撤廃される可能性がでてきました.食品医薬品局(FDA)のDr Margaret Hamburg長官の報告によれば,来年始めに,政府に政策転換の勧告を提出する予定だそうです.

FDAが上記の意向を持ったのには,献血された血液中のHIVなどの病原体の有無を確認する技術が進歩したことが,その理由のひとつのようですが, 同性愛者が献血する場合,献血時から遡って1年間,性交渉を持っていないことが条件となるそうです.こうした条件付与に対し,ゲイの支援団体GMHC(Gay Men's Health Crisis)は,それでは実質的な献血拒否とかわらないと言います.

なお,日本も含め,オーストラリア,英国は,同様の条件付きで同性愛者の献血を受け入れています.また,南アフリカでは,どのような性的傾向であろうと献血前は12ヶ月間,性交渉を持たないことを義務づけています.

2010年のカリフォルニア大学の試算によると,問題の禁止が撤廃されても,アメリカ国内における献血量の増加は2%から4%程度に留まるそうです.

以上,L'Obsの"ETATS-UNIS. Les homosexuels et bi-sexuels pourront donner leur sang"から.

Railcolor.netによるICxの新しい写真

2017年から現行EL牽引のICおよびICE1と2に置き換わるICxの写真が2枚公開されています.こちらからご覧頂けます.

ウフィッチ美術館のダビデ像に倒壊の危険

ミケランジェロ作のダビデ像ですが,すでに足の部分に微小なひびが生じていたのに加え,ここのところ発生した一連の小規模な地震のために倒壊の危険が指摘されています.記録された地震の数は,20日までの3日間で250回.今のところ,彫像に損傷は発生していませんが,今年の始めの調査で,このまま微小なひびが広がれば倒壊に至る可能性が確認されています.ダリオ・フランチェスキーニ文化大臣は,政府はこのルネサンスのマスターワークの台を耐震機能を備えたものに交換するために200,000€の予算を拠出するすると発表しました.

地震多発地帯であるフィレンツェとシエナに挟まるキアンティ地方で,最近,発生したものの強さは4.1(恐らくマグニチュード)だったそうです.1501から1504年にかけて制作されたダビデ像は,1873年迄ヴェッキオ宮前広場に展示されていたのですが,鳥の糞などの被害が大きくなったため,屋内に移転されました.このように,野外に展示されていた間にも損傷を受けているため,なおのこと地震に対する脆弱性は無視できないと言えます.

以上,SPIEGEL"Erdbeben in Florenz: Michelangelos David zittern die Knie"からでした.

創刊70周年記念企画,Le Mondeの「リポルタージュの記憶」(ビデオ,フランス語)

12人の記者たちが語る,彼らの心に強く刻まれた取材現場の模様.下のビデオは,その第5回目.東日本大震災を取材したJérôme Fenoglio記者の思い出です.他の記者達のビデオはこちらで.


アフリカにおけるエボラ出血熱の感染拡大は国際通貨基金(IMF)が招いた!?

という調査結果を発表したのは,ケンブリッジ大学,オックスフォード大学,そしてロンドンの衛生及び熱帯医学スクールの研究者たち.その内容が22日にThe Lancetのサイトで公開されました.

ようするに,今回の感染の爆発的拡大は,IMFがアフリカ諸国に提示した融資の条件としての財政引き締め政策の結果だというのです.こうした政策を実行したため,衛生面における予算が削減されたからです.

研究者達は,1990年から2014年までの間のIMFの政策と,それがギネア,イベリア,シエラ・レオネに及ぼした影響について調べました.その結果として,研究者達は,エボラ出血熱の感染開始の直前の2013年,これら3カ国はIMFの提示した条件のために衛生面における予算を増やす措置を講じることができなかったというのです.

こうした研究者達の指摘に対し,IMFは,2009年以降,貧困国に対し無利子の融資を行い,それらの国が衛生,教育の分野により多くの予算を投じることができるようにしたとしており,9月にはエボラ対策のために1億3千万ドルもの資金援助を行っており,同様の援助をギネア,リベリア,シエラ・レオネに対しても実施する予定であると述べています.(なんで今すぐに出さないのですかね.)

以上,22日付Le Mondeの"Des chercheurs pointent une responsabilité du FMI dans l'épidémie d'Ebola"からでした.

そこで目についたのは,こちらのメールマガジンの「世銀とIMFは財務官僚の巣である」という記事.もし,この機関を実質的に動かしているのが日本の財務官僚だとすると,以前にエイズ感染を放置した厚生官僚たちの所行(薬害エイズ事件)が思い出され,仮に今回のエボラ災害を招いた要因の中にIMFが含まれるとすると,どこの国のだれがどういう病気で死のうが自分たちさえ安泰であればいいという日本の官僚という生き物の本能が招いた世界的人災という側面も程度はどうあれ否定できないかもしれません.もっとも,そういった官僚を管理できない政治家,そしてそういう政治家を選ぶ私たち日本人に,最終的には責任があるのかもしれませんが.

モスクワのマネージ前広場,第2のマイデンとなるか

ロシアの反体制派のリーダーである政治家Alexej Nawalny氏の協力者の一人Leonid Wolkow氏は,先週の金曜日にNawalny氏の釈放を求める大規模なデモンストレーションへの参加への呼びかけをインターネット上に配信しました.デモの予定日は来年の1月15日.みんなでモスクワのマネージ広場に繰り出そうというもの.

同じ金曜日,モスクワの裁判所は自宅に監禁されているNawalny氏に対する判決を来年の1月15日に言い渡すと発表しました.検察側は,同氏に対し,9年間の拘留を求めていて,場合によっては,以前に言い渡された執行猶予付きの刑と合わせ10年に延長される可能性もでてきました.

反体制派からインターネットを通じて配信される情報に神経を尖らせている政府は,上記のWolkow氏のメッセージを配信後24時間も経たないうちに閲覧不能としました.国家のインターネット監視機関がFacebookが,彼のアカウントの閉鎖を命じたからです.しかし,このタイムラグの間にメッセージは60,000ものユーザーに伝わり,その中からすでに12,000人もの参加希望をメッセージが寄せられました.

今や,ロシアに於いてTwitterやFacebookなどのSNSの利用頻度は,まさに国民の気持ちを示すバロメーター.そして,それらに対する当局の姿勢も異常な程過敏となってきています.実際,Wolkow氏のメッセージと類似の書き込みを削除するようにという監視当局からの命令は,ロシアのFacebook,Klon VK.comに日曜日1日だけで50回も届きました.

世論調査(当てになるかどうかは別にして)では,国民の80%を超える人がプーチン大統領の政策を支持しているとされているものの,クレムリンはこの傾向が突然変化することを恐れているのです.ウクライナにおいてロシアの介入への反対運動に火をつけたのはジャーナリストのMustafa Najem氏のSNS上の書き込みだったという前例があるからです.

ところで,Nawalny氏を巡って支持者たちによる大規模なデモが起きたことがこれまでにもありました.それは,2013年6月に彼が長期間の拘留刑を言い渡されたときのことです.数千人もの彼の支持者がマネージ広場に押し寄せ,彼の釈放を求めました.その結果,数日後,裁判所は彼を釈放したのでした.

数々の汚職や不正を避難するNawalny氏は,クレムリンにとって,まさに目の上のたんこぶですが,Wolkow氏が流したデモへの参加の呼びかけは,監視当局の努力のかいもなく,またたくまに各地へ伝わり1月15日のデモへの参加者は,最大で25,000人にも昇ると見られています.

以上,22日付SPIEGEL"Putins Angst vor einem Moskauer Maidan"の一部からでした.

なお,ロシアのデフォルトの可能性については,同じく"Auf dem Weg in die Staatspleite","Russischer Gaskonzern: Gazprom-Produktion auf historischem Tief"をご参照ください.