Friday 28 March 2014

第29回スイスヨーデル祭

今年のヨーデル祭は,7月3日から6までダヴォスとクロスタースで開催されます.詳しくは,公式サイト(ドイツ語)をご覧下さい.(どのみちヨーデルなどに興味を持つ外国人などいないだろうということなのか,英語のページはないようです.)

グリンデルバルド,4つ星ホテルアイガービューのデラックスルームが半額に

グリンデルバルドのベルベデーレホテルのアイガーが見えるバルコニー付デラックスルームの2名1泊朝食付宿泊券が,通常600フランのところ,今なら半額の299フランで購入可能です.購入は,Deal Südostschweiz.chのこちらのページからどうぞ.ウェルカムシャンパンや夕食の4コースメニューの割引など,様々な特典付のプランです.(有効期間は,特定の日付を除いて2014年6月21日チェックアウトまで.)

カーリング世界選手権でスイス優勝!

先日,カナダのSt. Johnで開催されたカーリングの世界選手権で,最強といわれるカナダを破りスイスチームが優勝しました.心よりお祝い申し上げます.

3月24日付Blickの記事Schweizer Curling-Girls sind Weltmeister!より.
(25日付NZZの«Wie David gegen Goliath»などにも同様の記事.)

Tuesday 25 March 2014

史上最多を記録した2013年のアメリカの冤罪判明数

2月4日付電子版Le Mondeに掲載された"Un nombre record d'erreursjudiciaires aux Etats-Unis en 2013"によると,過去25年において冤罪が判明したおよそ1300名の受刑者のうち87のケースが2013年中に判明したものだったそうです.これは,2009年以降,最も多い件数で,それらはNational Registry of exonerationsというミシガン大学の法学部やオースウェスタン大学のCentres on Wrongful Convictionsの協力を得て実施された調査によって明らかにされたものでした.(詳細なレポートはこちらからダウンロード可能です.)

なお,興味深い事実としては,これらの冤罪が判明した決め手がDNA鑑定結果だったものは比較的少なく,むしろ,38%という数字が示すように,司法当局による再捜査によるものが多数を占めています.この結果について,調査に係わったGros教授は,「 近年,多くの警察官,検察官,裁判官,弁護士,さらに国民全体が冤罪の危険性を認識するようになったため」と言っています.

このアメリカにおいて冤罪が発生する原因のひとつとして有罪答弁制度があります.(訳注:被告が起訴事実を認めれば,直ちに量刑の言い渡しへと進む制度.)つまり,「無実であっても,被告が,さらに重い刑を,場合によっては死刑を言い渡されるのを恐れて起訴事実を認めてしまうケースがある」と同教授は,アメリカにおける有罪判決の95%は有罪答弁によるものであることを強調しつつ,述べています.

冤罪が判明した具体的な例として,ミズーリ州のReginald Griffin氏のケースがあります.彼の冤罪も25年に亘る再審査の結果,やはり2013年に判明し,米国全体で死刑を言い渡された被告の無実が判明した件数は143になりました.彼が誤った有罪判決を受けた原因は,2013年に冤罪が判明した他の56%のケース同様,嘘の証言によるものだったのです.また,誤った証言によるケースは,38%,そして捜査官の適切さを欠いた捜査手法も冤罪を発生させる要因の一つのようです.

以上が, 当該記事の内容ですが,日本でも冤罪は発生しています.そうしたケースを取り上げた報道によると,日本の司法制度の場合,容疑者は密室で言葉による拷問とでも呼べるような取り調べを受け,意に反して容疑を認めてしまったために罪に定められたという事例が多いようです.江戸時代以来の自白を強制する手法ですが,人間の心理の弱さを突くという点においては,アメリカの有罪答弁制度と根本的な構造に変わりはなさそうです.つまり人権が十分に尊重されていないのです.とはいえ,アメリカにはこうした研究機関を巻き込んでの冤罪究明のシステムが存在するというのはうらやましい限りです.日本での実現はほぼ永久に不可能でしょう.

ところで,冤罪による死刑の執行は司法の最大の罪と言ってよいと思いますが,以前,目にした電子版Die Weltの2013年12月12日付"Bei Hinrichtungen macht Japan kurzen Prozess"は,執行予定時刻をその僅か数時間,場合によっては数分前に受刑者に伝える日本の死刑の執行方法についてアムネスティー・インターナショナルが非人道的と強く非難していると伝えていました.なお,下の地図は,同団体が公開している死刑制度が存在している国と執行数を示したものです.(Keyをクリックすると凡例が示されます.)この地図を見ても判りますが,執行数で断然トップはなんといっても中国の8000人です.(Cf. 2014年3月25日付manager magazine"China Hinrichtungsstaat Nummer eins"


最後に,先日,日瑞国交樹立150周年を記念して日本を訪れたスイスのブルクハルター連邦大統領は,日本の岸田外務大臣と会談した際,日本においても死刑制度が廃止されることを希望している旨を伝えたそうですが,別に死刑制度を擁護するわけではありませんが,日本人の精神性,民族性から視た場合,暫くは廃止されることはないでしょう.恐らく永遠に.*1)(Cf. 2014年2月4日付電子版Neue Luzerner Zeitungの記事"Burkhalter: Japan soll Todesstrafe aufgeben")



*1) 日本人が特別野蛮獰猛な民族だからというわけでは,もちろんありません.思うに日本人の恐らく99%前後が実質的に心霊信仰(御霊信仰 = Spiritualism)を信じています.つまり,日本人の殆どは,亡くなった人は別の形(例えば,魂などとして)存在し続けており,生前の記憶,意識や感情を持ちながら自分が生存に所属していたこの世界を関心を持って観察しているという考えているのです.そうした信仰に従えば,もし理不尽な状況によって招かれた死によってこの世を去らざるを得なかった場合,死者の魂は,その無念な感情,ようするに怨念を持ち続け,その結果この世に暮らす人々に好ましくない影響さえ及ぼしかねません.死刑には,死者のこうした怨念を鎮める効果が期待されているのではないでしょうか.日本人の死刑制度に対する姿勢を理解するには,このような彼らの宗教性も考慮されるべきでしょう.

Sunday 23 March 2014

ガンやリューマチ治療に応用される時間生物学

2012年に中部ドイツ放送によって制作され,先日,ARTEで再放送された番組"Chronobiologie"の内容から特に興味を引かれたものをご紹介します.

なお,時間生物学について,くわしくはwikipediaなどの当該項目をご覧ください.
  • リューマチの原因物質を分泌時にブロック
実践しているは,ベルリンのチャリティー病院のフランク・ブットゲライト医師(Dr. Frank Buttgereit).従来,リューマチの痛みを押さえる薬は起床時,つまり朝の6時から8時ごろ服用しますが,その効果があらわれるまで患者は痛みを我慢しなければなりません.ブットゲライト医師は,リューマチの痛みを引き起こす原因物質が分泌されるのは深夜2時であることから,その時点でその作用を遮断してしまう薬を開発しました.といっても,薬の成分はそれまでのものと変わりませんが,2時になると成分が溶け出して作用を開始するように特殊なカプセルに入れ,患者に就寝前に服用させたのです.実際にこの治療を受けた女性の例が紹介されていましたが,それまでは朝,痛みで指を動かせなかったのが,治療を受けてからまったく問題なく日常の生活を送ることができるようになったとのことでした.
  • 体内時間のリズムを使ってガン細胞のみを破壊
実践しているのは,パリ近郊ヴィルジュイフにあるポール・ブルッス病院のフランシス・レビ医師(Dr. Francis Lévi).人間の細胞にはそれぞれ生物時計が組み込まれていて,健全な状態にある場合,それらは光の中の特に波長の短い青い光に反応して覚醒し,それを受けなくなると休養します.しかし,ガン細胞の生物時計は壊れていてそのようなリズムはもはや存在しなくなってしまいます.そこで,レビ医師は,患者の体内時計に合わせた化学療法を実施してみました.つまり,使用する抗ガン剤の成分は従来どおりですが,健全な細胞が休養しているときにのみ抗ガン剤を注入するようにしたのです.その結果,健全な細胞は抗ガン剤による破壊をまぬがれ,ガン細胞のみが破壊されました.臨床例として紹介されたのは38歳の女性の患者でしたが,彼女に脊椎ガンが発見されたのは5年前.すでに肝臓にも転移していて,彼女の命は12ヶ月も持たないだろうとさえ思われましたが,レビ医師の治療を受けた結果,肝臓のガンは完全に消滅し,現在も元気に仕事をされているとのことでした.

また,糖尿病も体内時計の狂いから生じる場合もあると言えるそうです.というのは,例えばI型糖尿病は血液中のブドウ糖濃度を一定に保つインシュリンの枯渇に起因しますが,インシュリンと眠りのホルモンであるメラトニンは同時に分泌されるものではなく,片方が分泌されるときにはもう片方の分泌は抑えられます.そこで,もし,夜間でも照明やパソコンの画面などから光(特に後者の画面が発するような生物時計が反応し易い青い光)を浴び続けるとメラトニンの分泌は抑えられ,さらに食物を摂取し続けた場合,絶えずインシュリンの分泌が促されるようになり,最終的にはその枯渇を招いてしまうというわけです.

最後に,時間生物学によると,人間の体内時計はそれぞれ異なるそうですが,ドイツではベルリンのシュプリット-フェンネルト老人ホーム(Seniorenheim Splitt-Fennert)のように,一律の生活リズムで拘束せずに個人の体内時計を尊重した生活を送らせる老人ホームもあるそうです.


番組データ:

原題 :
- ドイツ語版:Chronobiologie - Wie tickt der Mensch,
- フランス語版:Chronobiologie L'Homme et ses rythmes
制作:中部ドイツ放送(MDR)
制作年:2012年
時間:53分
ARTEにおける放送日(再放送):
- ドイツ語版:2014年3月14日午前3時10分
- フランス語版: 2014年3月14日午前3時45分


ところで,体内時計で思い出したのが,江戸時代の時間です.日の出を明六つ,日の入りを暮六つとして,その間を6等分していたから,季節によって一刻の時間は異なりますが,考えてみればそのほうが人間の体内時計に合っていたといえそうです.おまけに当時はもちろん,夜でも画面から青い光を発して体内時計を狂わしてしまうコンピュータなどもありませんでしたし...

現代版世界の七不思議のひとつ,アメリカ軍の国外基地の多さ

ある人が,公表されているもののみですが,世界中にあるアメリカ軍の基地を地図上にプロットしたのがこちらです.しかも,ご丁寧に各基地の衛星写真付きです.

そして,アメリカがこのように多数の国外基地を有する現状についてのある経済専門家による分析を紹介した電子記事"Does the US Have Enough Military Bases?"の結論は以下のとおり.
  1. Given that any satellite can pick up this information, is there any rational reason to have "secret bases"?
  2. Is any base really a secret?
  3. Would US security be hampered if 25% of the bases were shut down? 50%? 80%?
The answers are 1-no, 2-no, 3-no, no, no.

だそうです.ようするに,こんなに沢山要りゃしないと.仮に8割減らしたところでアメリカの安全保障へは影響しないと.

現在,日本政府は,集団的自衛権が行使できる環境をなんとしても造り出したいと躍起ですが,仮にそれが実現した場合,これら世界中に散在する米軍基地のいずれかが攻撃を受けた場合,日本の自衛隊(あるいは国防軍)は,直ちに押っ取り刀でそこへ駆けつけ米軍の指揮下に入り,戦闘に参加するのでしょうか.

第二次世界大戦の末期,ドイツ軍は15歳から60歳以上の国民を戦線に導入したそうですが,ますます少子高齢化が加速する日本の国民も,そうなることを覚悟しておいたほうがよいかも知れません.(福岡八区で選出された某国務大臣も「ナチスに習え」と言っておるようですし.)*1) 同大戦の末期,日本でも当時の働き盛りの男子のほぼ総数にあたる二千万人に自爆攻撃を行わせるということを本気で考えていた海軍幹部がいたようですが,それよりさらに悲惨な事態が起こるかもしれません.*2)

最近フランスのLes Echos紙に掲載されたストックホルム国際平和研究所報告書(下記)によると,近年,世界における軍事予算の不均衡化はますます顕著となっており,欧米では軍事予算の削減が進む一方で,中国やロシア,そしてサウジアラビア等の軍事予算は2004年に比較して2倍に膨らんだそうです.日本政府が望む集団的自衛権の行使は,それを期待するアメリカの姿勢の裏には経済的な思惑もありそうです.




なお,元アメリカ海兵隊士官で世界各地で様々なオペレーションに参加したCarlton Meyer氏が軍事雑誌に寄稿した論説(軍や政府の目を気にする雑誌社側に掲載を拒否されたものも多数含む)を集めたサイトがありますが,その中に,これまで閉鎖されたアメリカ軍の国外基地のリスト(Overseas Base Closure List)が掲載されています.また,同氏は,同じサイトの別のページ(Outdated U.S. Military Bases in Japan)で,現在の東アジアの軍事的状況を踏まえた日本の米軍基地の在り方の戦略上および経済上の非合理性も指摘していますが,その内容は全くの門外漢の私にも十分説得力のあるように思えるものです.同氏は,在日米軍基地の具体的な戦略上の改善策として普天間基地および厚木の海軍航空基地の閉鎖,さらに横須賀海軍基地の縮小を提案しています.そして,それらの措置はアメリカ国内の雇用の改善等,自国の経済にも恩恵をもたらすとしています.

アメリカ軍の国外基地の存在が現地でどのような問題を起こしているか示し,そして,それらの改善策を提案している,"The Bases of Empire: The Global Struggle against U.S. Military Posts"という本がありますので,ご興味をもたれた方は,ご一読をお薦めします.(残念ながら,Amazon.co.jpでは在庫切れのようですが,アメリカのAmazon.comには在庫があるようです.)



*1) Cf. Ken Burns『The War』(TVドキュメンタリー),2007
*2) Cf. 阿川弘之『米内光政 下巻』,新潮社,1978,pp173ff

Saturday 22 March 2014

乗ってみたいスイス国鉄の特別列車2014

ドイツ語のみのようですが,今年予定されているスイス国鉄の特別列車のページはこちらです.(オンライン予約のページには英語版があります.)

その中から,個人的に特に興味を持ったのは次の2本です.

60年代のヨーロッパのレールシーンを飾ったRAe TEE(ゴッタルド号用)車両による運行.(6両編成,1等のみ,4及び5号車は食堂車)

運行日:2014年5月10日
運行経路:Zürich HB - Pfäffikon SZ - Ziegelbrücke - Landquart(往復) 

1916年製造の1Cテンダー機関車B3/4 1367が1930年代の客車を牽引します.(1等,2等,3等客車及び食堂車)

運行日:2014年6月29日
運行経路:Brugg AG–Wettingen–Regensdorf–Eglisau–Koblenz–Brugg AG(周遊) 
オンライン予約(英語)

Friday 21 March 2014

MH370便に関するL'EXPRESSのライブティッカー(フランス語)とオーストリア海上保安局のサイト(英語)

依然として消息を絶ったままのマレーシア航空370便ですが,フランスのL'EXPRESS誌がライブティッカーで捜索活動の進展を伝えています.

また,オーストリア海上保安局(AMSA)のこちらのページも捜索について報告しています.

Tuesday 18 March 2014

ウクライナ危機のライブティッカー(ドイツ語)

いよいよ本音を露にしたプーチン大統領ですが,独シュピーゲル誌電子版のウクライナ危機に関するライブティッカーはこちらです.

同じくフォーカスのライブティッカーはこちらです.

無料で入館できる施設や入館料が最も高額な施設など - スイスのミュージアムの診断表

(時間の制約上このポストも部分的にしか訳せません.ご了承ください.)

独語圏スイスの主要日刊紙のひとつTage Anzeigerのブログに"Schweizer Museen im Check"というポスト(3月14日付)が公開されていました.以下,その内容から目を引いたものをいくつかご紹介します.

まず,1番目の項目は施設の州毎の密度です.色分けされた地図を見る限り,スイスの州の中で最大の面積を誇るグラウビュンデン州の第一位は揺るぎないようです.

そして,2番目は無料で入館できる施設.『アルプスの少女ハイジ』の作者ヨハンナ・シュピリ博物館も無料です.また,有名なCern(欧州核研究機構)も無料で見学が可能です.

3番目は入館料が高額な施設の番付で,横綱はルツェルンの交通博物館で30フラン.

4番目は少々変わった収蔵品を展示している施設.ミュンヒェンシュタインにある「カエル博物館」はガラスや木など様々な材質で作られた数千におよぶカエルのフィギュアのコレクションを誇ります.グリュニンゲンの「錫人形博物館」には錫でできた可愛らしい人形のコレクションが展示されています.

最後の5番目はスイスにある1000を超える施設のデータです.名称,分野,場所,州,入館料が記載されています.

Thursday 13 March 2014

独裁者には『独裁者』を! - "笑い"でドイツ軍に抵抗したセルビア人青年の物語(ARTE+7から)

タイトルは,"Great".事実に基づいて2012年に制作された21分の短編映画で,日本ではARTE+7で15日土曜日午前8:25まで視聴可能です.(フランス語版

彼の名は,ニコラ・ラドゼヴィッチ(Nikola Radosevic).第二次世界大戦当時,セルビアでレジスタンス運動に参加していた青年でした.彼が抵抗の手段として選んだのは,チャーリー・チャップリンの映画『独裁者』(1940年)をセルビアに駐屯するドイツ軍兵士たちに観せること.1942年,彼は命がけでこの映画のリールをヴァリエヴォの映画館まで運び,そこで上映予定のナチスのプロパガンダ映画"Wunschkonzert"(1936年)と直前にすり替えることに成功.そこに集っていた駐屯中のドイツ軍兵士にヒットラーと彼らを痛烈に風刺したこの映画を観せたのです.セルビアは決して彼らの支配を受けないというメッセージを込めて.なお,ドイツ語ですが,この映画のデータはこちらのサイトをご覧下さい.

監督はアンドレアス・ヘン,2013年の第34回マックス・オピュルス映画祭賞受賞作です.

Wednesday 12 March 2014

フランスの歴史に興味を持っているフランス語学習者の方へお薦めのビデオ - ARTE+7から

3月10日(月)から面白いシリーズがARTE+7で放送されています.全4回の"Histoire(s) made in France"で,放送は毎日,各回44分です.昨年製作された番組のようです.現地での放送開始時刻から1週間無料でオンラインの視聴可能です.

第1回のは,「クロマニョン人からローマ人まで」,第2回(11日火曜日放送)は,「中世」.モン・サン・ミシェルなどが取り上げられます.

Tuesday 11 March 2014

ホムス - 自由を求めて戦い続けるシリアの若者達の記録(ARTE)

3月4日にARTEで放送されたドイツ南西放送局制作のドキュメンタリー"Homs - Chronique d'une révolte"(独:"Homs - Ein zerstörter Traum")を視ました.シリアの内戦の発端となった都市ホムスを解放するために戦う若者達を2年にわたって追い続けた映像記録で,2014年のサンダンス映画祭で審査員賞を受賞した作品です.エンディングクレジットにNHKのロゴが見えたので,ことによると訳されて日本でも放送されるかも知れないと思い,さがしてみるとどうやらBS世界のドキュメンタリーの枠内で『ホムズでは今 〜シリア 若者たちの苦闘〜(仮)』という題名で放送されるようです.(2014年4月10日 木曜深夜[金曜午前 0時00分~0時50分])もっとも,オリジナルは89分ですが,NHKの番組では50分なので相当カットされるようです.確かに子供も含めて多くの死体も映し出されるので,そのまま放送するわけにはいかないのでしょう.

最初はあくまでも平和的なデモンストレーションを行っていた若者たちですが,やがて暴力で彼らの要求を文字通り粉砕し始めた政府軍に対し,サッカーのナショナルチームのゴールキーパーで若者たちの人望を集めていたバセットさん(Abdul Baset Al-Sarout当時19歳)が,自由と民主主義の実現のために若者たちのリーダーとなり彼らを率いて戦いを開始してからの彼らの行動が克明に記録されています.単にシリアに生まれたからシリアを愛するのでなく,イスラムの教えに基づいた人間の普遍的な尊厳が認められる社会の実現という崇高な目的のために命をかける彼らの姿に深い感銘を覚えました.

現在のシリアの状況に関心をお持ちなら,やはりARTEが提供しているサイト,『シリア映像日誌』 があります.民主主義の実現のために戦っている三人の若者達の様子が綴られ,毎週更新されます.次のリンクからアクセスしてみてください.


仏ル・モンド紙のインフォーグラフが伝える東北大震災と福島原発事故の経緯(フランス語)

ル・モンド紙の電子版にも『三年目の福島』(Fukushima an III)というタイトルのインタラクティブのインフォーグラフが掲載されているのでご紹介します.各被災地名をクリックすると,当該地の模様が紹介されます.(各画面はスクロールできます.)

Sunday 9 March 2014

独シュピーゲル誌のインフォーグラフが伝える東北大震災と福島原発事故の経緯(ドイツ語)

ドイツのシュピーゲル誌のインタラクティブのインフォーグラフへのリンクです.(残念ながら訳している時間がないため,ドイツ語に不慣れな方は恐れ入りますが,それぞれのページを翻訳ツールなどで訳して閲覧いただければ幸いです.)
なお,東北大震災および福島の原発事故に関するシュピーゲル誌の記事および上記以外のインフォーグラフへのリンクはこちらです.

Saturday 8 March 2014

X:enius取材班が見た福島の現状 - ARTE+7から(フランス語/ドイツ語)

仏独共同のテレビ局ARTEの子供向け科学番組ジェーニウスが,事故後3年を経過した福島の汚染地域を取材しました.フランス語とドイツ語で視聴が可能です.(26分)
無料視聴可能期間:2014年3月7日午前8:30から1週間(現地時間)

Sunday 2 March 2014

鉄道模型ファンの方にお薦めの展示施設 - ドイツ,スイス他

  • ドイツ
まず,ドイツですが,ハンブルグのミニチャア・ワンダーランドは一度は訪れたい施設です.ヨーロッパはもちろん,世界最大級の規模を誇ります.なお,日本語のフライヤーもこちらからダウンロードできます.オンラインでのチケット購入も可能です.

もうひとつは,毎年開催されるライブスチームも含む,世界最大の鉄道模型の祭典IMA.今年2014年はケルンで11月20日から23日まで開催されます.
また,面積420 m2に60年代後半のルール工業地帯を再現したHOゲージレイアウトModellbahnwelt Oberhausenも2014年3月末に公開される予定です.

さらに,2013年5月4日に開業した,南ドイツで最大の面積を誇るHOゲージレイアウトmodellbahnwelt Odenwaldも注目の施設です.*) 総床面積2300 m2の展示場内に敷かれたレールの総延長は9000 m.ポイントの数も1200です.(下の映像は,2010年11月30日にヘッセン放送のニュース内で流されたもので,現在のFürthへ移築される前の施設の様子です.)

なお,ドイツを始めヨーロッパ各国には多くの鉄道模型ファンの団体が存在しますが,例えばドイツの代表的なMOBAのサイト*)こちらです.(同サイトでは,ドイツで開催される鉄道模型関連のイベントプランナーも公開されています.)
  •  スイス
野外でたっぷりライブスチームを楽しみたいという向きには,スイス・スチーム・パークがお薦めです.風光明媚なレマン湖畔のブブレに位置しています.

そして,スイスで最も大規模な鉄道模型のレイアウトというとカエザーベルグ鉄道で,面積610 m2,レールの総延長は2045 mです.

カエザーベルグ鉄道はHOゲージですが,0ゲージのレイアウトで最大規模なものがリヒテンシュタイク*)にあります.開館は水,土,日曜日の10:30から16:30で,入場は15:30まで.こちらは面積480 m2,レールの総延長は1300 mです.(施設のサイトにはヨーロッパ最大とあります.なお,以下の動画の前半5分弱までは同じ施設の木製の鉄道模型の紹介です.音声は全編を通じてMCも含めすべて土地の方言です.)なお,折角,スイスに来たのだからお土産にチョコレートなどをとお考えの向きには,近郊のビルテン(Bilten)駅近くのレデラッハ(Läderach)の工場直売所を訪れることをお薦めします.各種チョコレートをたいへんお得な価格で購入することができます.(東京の南青山と自由が丘にもレデラッハのがあります.)

また,アルブラおよびベルリーナ両線がユネスコの世界文化遺産に登録されているレティカ鉄道を紹介するアルブラ鉄道博物館*)にもレティカ鉄道の路線を再現したレイアウト*)が展示されていて,通常,午後に模型車両の走行実演があります.こちらはレティカ鉄道ファンの方にお薦めです.アルブラ鉄道博物館は,ベルギュン駅の真向かいにあります.
  • オーストリア(シュタイアマルク州)
おまけとしてシュタイアマルク州のみですが,クニッテルフェルト駅にあるレイアウト*)もかなり大規模なもので,面積は160 m2,線路の総延長はおよそ700 mです.(なお,開館は2,7,8月の金曜日の17-19時,4月30日(キリスト昇天日)およびクリスマスの週末のみ10-17時とかなり限られているようなので,訪れる前に開館日と時間を確認することをお勧めします.)
  • フランス(ミュルーズ鉄道博物館)
ついでに,以前にこちらのポストでご紹介したことのある施設ですが,今年の鉄道模型展(フランス語のページのみ)の開催予定期間は9月27日,28日です.

*) は,ドイツ語のページのみ.それ以外は英語のページへのリンクです.また,上記にはすでに以前のポストでご紹介した施設も含まれています.